2016鮭発眼卵の河床埋設放流ボランティア募集

鮭発眼卵の河床埋設放流ボランティア募集のお知らせです。

新潟水辺の会はかつてのように鮭などの魚類が遡上し、産卵、降下できる信濃川を目指し、“鮭発眼卵の河床埋設放流”を5年前より取組んできました。

発眼卵の河床埋設放流は、鮭の発眼卵を人為的に河床に埋設し、以後の生育を自然環境にゆだねる増殖手法です。

昨年(2015年)は長岡市内の信濃川の4次支川の「湯の谷川(信濃川→支川の黒川→さらに支川の河久保川→さらに支川の蛇喰川→そのまた支川の湯の谷川)」にて、(公財)こしじ水と緑の会様から活動助成をいただき実施しましたが、残念ながら泥の流入などで発眼卵が死滅し、期待した結果には結びつかなかったようです。(昨年度の河床埋設放流の様子、追跡調査については本案内文末のリンクから御覧ください)

湯の谷川は気温の変化の割には水温の安定しているため、鮭がふ化する温度の条件としては適していますが、泥の流入の少ない箇所を選ぶ必要があることがわかってきました。付近の川で泥の流入が少ない箇所を探した結果、今年(2016年)は湯の谷川が流れ込んでいる「河久保川」にて鮭発眼卵の河床埋設放流を行うこととしました。

河床埋設放流をした発眼卵がうまく孵化できれば3~4年後大きく成長した鮭が戻ってきます。多くの方々のご参加をお待ちしています。

 

埋設日時:2016年12月18日(日)

集合時間:9時30分 作業終了は12時を予定しています。雨天決行

埋設場所:長岡市宮本2丁目地内の「河久保川」

集合場所:長岡市雪国植物園南口(長岡ICより車で10分) ※地図はこちらです。

雪国植物園は冬季休園していますが、新潟水辺の会の旗が目印です。

案内チラシ(画像をクリックするとPDFをダウンロードできます)

案内チラシ(画像をクリックするとPDFをダウンロードできます)

 

IMGA0184_R

昨年の湯の谷川(長岡市内)での発眼卵の河床埋設放流の様子

発眼卵の河床埋設方法[2]

発眼卵の河床直まき埋設方法

2016040209

湯の谷川での河床埋設放流の追跡調査(黒い粒は死滅した鮭の発眼卵)

 

 

 

 

車が無くて行かれない方は、同乗する車をお知らせします。
当日は雨具、長靴、ゴム手袋をご持参願います。
剣スコップもあればご持参ください。

参加の皆様には昼食をご馳走します。

 

参加ご希望の方は、新潟水辺の会 副代表 加藤 功(携帯 090-4701-3910)

または下記フォームまでご連絡ください。

 

昨年度の鮭発眼卵埋設放流のレポート

・作業レポート

・追跡調査レポート

湯の谷川での鮭発眼卵追跡調査

昨年12月20日に湯の谷川(新潟県長岡市)で行った鮭の発眼卵の河床埋設放流の追跡調査を4月2日に行いました。
参加者は先日の埋設放流の作業に参加いただいた福田さん、他当会から加藤副代表、鈴木世話人、事務局杉山の4人でした。ご参加いただきました福田さんありがとうございます。
2月11日に加藤副代表が現地の様子を見に行った際は、カンジキを履いても埋設場所に行くのに30分もかかっていたので今回もまだあるだろうと心配していましたが、ほぼ無くなっていました。
参加した4人は、春の日差しを楽しみながら、12月に埋設した発眼卵が孵化して海へと下っていったことを期待しながら、埋設した場所へ向かいます。
2016040201 (2)

2月11日の湯の谷川沿いの通路

2016040202

4月2日の湯の谷川沿いの通路

2016040203

4月2日 発眼卵河床埋設放流をした場所の様子

しかし、川の崖の木に縛り付けておいた水温計のセンサーが途中から線が切れて行方不明になっていて、データが途中で切れていました。

温度計を回収する加藤副代表

温度計を回収する加藤副代表

湯の谷川水温計データ
回収した温度計の測定結果

回収した温度計の測定記録(1月の下旬あたりで記録が途切れているようです)

12月の埋設放流のときには、2つのハイバードボックスそれぞれに約800粒の鮭の発眼卵を入れて川底に埋めました。
回収時にバイバードボックスは、上部が川底から露出していたのですぐに見つかりましたが、一つは上のフタが壊れ、泥が中まで入り、残った発眼卵は真っ黒になって死滅していました。また、残りの一つも泥が中に入り、発眼卵の大半が死滅していました。
発眼卵が死滅したのは、ハイバードボックスの中に泥が流れ込み目詰りし、孵化して泳ぎ出るまでに十分な酸素が供給されなかったことが原因ではないかと想像しています。
現地ではハイバードボックスはすぐに見つかりました

現地ではハイバードボックスはすぐに見つかりました

2016040206

ハイバードボックス回収の様子

掘り起こし-8

2016040207

回収したハイバードボックスの中身(四角く青っぽいのが温度計)

2016040209

死滅して真っ黒になった発眼卵

しかし、バイバードボックスに入れておいた水温計より湯の谷川の水温データが得られ、これによると水温は結構高く、3月下旬で積算温度が1300度になることが分かってきました。
長岡市の気温(オレンジ)とハイバードボックス内の温度計で計った水温(水色)

長岡市の気温(オレンジ)とハイバードボックス内の温度計で計った水温(水色)

湯の谷川水温計と長岡市の気温

長岡市の気温データと水温データを比較すると、気温に引っ張られて大幅に水温が低くなることがなく、真冬でも7度前後を維持しています。
そのことから、この河川はやり方によっては発眼卵の埋設放流の試験地にふさわしいのではないかと感じています。
作業の後、現地の近くのレストランで昼食を取りながら、当日の結果やその対応などについて話し合いました。
2016040208

蓋が壊れてしまったハイバードボックス

 

  • 泥の対策として、ハイバードボックスのスリットを一部塞いだり、フィルターのようなものを取り付けてはどうか
  • 発眼卵は紫外線に弱いため、後で浮き上がって露出しないような工夫が必要(木の板などを上にかぶせて、光を遮ると同時に、雪の重みや流下物で壊れないようにする)
  • 泥や露出・破損の対策は河床埋設放流をする時期でなくても、テストできるのではないか
  • 河床に直接埋設放流をする場合、発眼卵が入る空間を確保して作業時に発眼卵が流れ出ないようにする工夫も必要
  • ハイバードボックスだけではなく、河床に直接埋設放流した箇所がわかるように目印をつけるなどして、それも追跡できるようにしてはどうか
今回の河床埋設放流は期待した結果にはなりませんでしたが、それでも今後継続していくうえでの課題も明らかになったことは大きな収穫となり、充実した時間となりました。
当会では、鮭発眼卵の河床埋設放流に2012年から取り組んでいます。
取組みを始めてからの日も浅いだけでなく、河川によって条件が様々であり、鮭の産卵から孵化のチャンスは年に1回であることなどから、実践する機会が限られていて、やってみないとわからないことが多くあると実感しています。
来冬も継続して鮭発眼卵の埋設放流に取り組みたいと考えていますので、皆様からのご参加、ご支援のほどよろしくお願い申し上げます。

信濃川の鮭遡上状況速報

信濃川に鮭が遡上しているようです。

以下は新潟水辺の会の加藤功世話人からの報告です。

いよいよ千曲川の西大滝ダムへの鮭の遡上が始まりました。

11月22日に長野で開催する「信州の鮭文化を語るシンポジウム」の打ち合わせの為、10月10日に信濃川の宮中取水ダムから遡って千曲川の西大滝ダムの鮭の遡上状況を確認しながら長野へ向かいました。

午前10時過ぎ西大滝ダムに着き、管理用通路から魚道を眺めていると、魚道に設置された左右の捕獲箱に1尾づつ鮭が入っているのを発見しました。

 

14.10.9西大滝ダム魚道

 

早速、毎日朝8時にここに確認に来ている高水漁協の宮本さんに連絡、駆けつけた吉越さんと一緒に今年最初の鮭2尾を採捕しました。

14.10.9-西大滝ダム魚道捕獲鮭-1

1、 体長69cm、体重3.0kgのオス

14.10.9-西大滝ダム魚道捕獲鮭-2

2、 体長72cm、体重2.5kgのオス でした。

 

体重、体長などを確認し、すぐに上流に放流しました。

8時に宮本さんが確認に来た時は鮭は発見できず、自宅に戻ったとの事でした。

その後2時間の間に鮭は西大滝ダムの魚道に遡上したようです。

これを契機に、西大滝ダムを多くの鮭が遡上することを期待しています。

 

 

尚、下流の宮中取水ダムへは鮭の遡上ラッシュが続いています。

下記のグラフをみていただけると経年変化が読み取れると思います。

 

14.10.8-宮中取水ダム1

10月8日までに264尾(オス 158尾、メス106尾)で、今年の目標を大幅に超えそうです。

ご期待下さい。

 

また、11月2日(土)には長野市安茂里公民館にて、「信州の鮭文化を語るシンポジウム」を開催します。沢山の方々のご参加をお待ちしております。

シンポジウムの詳細は“こちら”をご覧ください。

 

 

1 2 3 13