利根大堰魚道見学と利根川水系五行川鮭守の会訪問-1

11月30日、山岸世話人と一緒に、西大滝ダム管理用通路に設置してあった観察ビデオカメラ、及び3年前より魚道に設置の水温計を撤去することになり、小雨の中西大滝ダムに向った。途中宮中取水ダムに寄ると、魚道工事などにより、9門のゲートの内4門が全開して信濃川の水はすべて下流に流れていた。しかし、12月を迎えるせいか全開にしても信濃川水量は少なく感じた。

JR東日本宮中取水ダム

本年9月15日に西大滝ダム管理用通路に設置し、戦後最多の鮭の遡上を録画した観察ビデオカメラ、照明設備、録画機材を撤去した。これから映像を解析するが、来年はもっと多くの鮭が遡上するであろうことから、来年の遡上調査体制をどうするか、楽しみと共に悩みの種である。

東京電力西大滝ダムのカメラ        同ダムの放流状況      同ダムの魚道

そして、3年前より西大滝ダム魚道に設置して置いた水温計も一緒に撤去した。この水温計は大雪による接続ケーブルの断線と故障で随分悩まされたが、ここ1年半は順調に魚道の水温を測定してくれた。夏場でも魚道に水が流れていれば25度を越えることはない上、冬場も凍ることなく測定し続けてくれた。これにより、稚魚放流も3月中なら稚魚も日本海まで順調に下れるであろうことが証明された。

同ダム魚道の水温計                水温計の観測記録

昼食後、十日町より353号線を通り十二峠トンネルを抜け湯沢に入り、関越自動車道より利根川に向った。5年前に一度見学に行った利根大堰の鮭の遡上について調査するためである。平成18年当時3,000尾も遡上していたが、今年の遡上数はその4倍を越していると聞いていた。夕刻迫る4時過ぎようやく利根大堰に到着、連絡していた(独)水資源機構利根導水総合事務所の磯田班長に案内されて魚道に向った。

利根大堰                        2号、3号魚道

利根川は鮭自然遡上の太平洋側南限河川と言われている。1995年これまでの魚道の大改築を実施した結果遡上数が急上昇し、今年はついに1万尾の大台を突破した。11月30日現在13,000尾を超えたとの事でその要因をお聞きしたところ、東日本大震災で三陸の鮭の沖捕りが少なかった影響で多くの鮭が利根川を遡上したのではないかとのことであった。

1号魚道(中央の凸部は凹型淀み部)           経年別のサケ遡上数

この魚道には電極を利用し遡上数を自動的にカウントするカウンターが設置されており、それにより鮭の遡上数を計測していたが、そのシステムの考案者が新潟大学農学部の権田豊准教授であった。魚道を見学中その装置をメンテナンスしているオリエンタル技術開発の近藤康行氏が居られたが、彼は新潟大学農学部の出身で大熊代表の講義も受けたことがあると言っていた。

電極の波形により遡上する魚と降下する魚を判別しカウントするが、同時に魚道内を2尾が通過した際は1尾とカウントする時もある。また大きな鯉が通過しても1尾としてカウントするとの事であり、人による計測で判別するしかないオス・メスや魚体寸法などは今後の課題となっている。

尚、大堰の右岸上流部には、見沼代用水・武蔵水路・埼玉用水路・葛西用水路の取水口が設けられ、東京都の上水道の40%、埼玉県の上水道の70%を供給している。

 利根大堰魚道見学と利根川水系五行川鮭守の会訪問-2に続く

 

 

 

  

「第20回 全国川サミットin長岡」

「第20回 全国川サミットin長岡」が8月3日~4日長岡市で、「絆~川は流れ、地域をつなぐ~」をテーマに講演会などが開催されます。このサミットは、全国へ河川愛護の啓発を図る目的で行われ、一級河川の河川名を自治体名にしている全国の市町村長が長岡に集結します。 8月4日(水)には、えちご川口交流体験館「杜のかたらい」にて、「かつてのように鮭が遡る、信濃川・千曲川へ」をテーマに新潟水辺の会の活動発表があります。
その後、大地の会の活動発表、基調講演があります。
参加ご希望の方は、新潟水辺の会へ20日までにお知らせ願います。

案内チラシはここをクリックしてご覧ください。

JR東日本の皆さんによる、「九州の伝統的な利水・治水・水文化を探る」視察旅行の報告会

JR東日本旅客鉄道(株)と新潟水辺の会は立場の違いはありますが、年に数回意見交換の場を持っています。

現在、宮中ダム魚道で行っている「せせらぎ魚道」への改善を行うに当たり、6月初旬JR東日本信濃川発電所の方たちが、九州の肝属川水系串良川(大隈半島)、球磨川、筑後川など、「九州の伝統的な利水、治水・水文化を探る視察」を行ってきた報告会が、6月30日(木)に新潟水辺の会事務局のあるみずき野で行われました。新潟水辺の会からは世話人6名(大熊、相楽、山岸、加藤、森本、佐藤)が参加しました。

歴史的な堰の様子や、ダムや堰の魚道の様子、球磨川下りのラフティングの様子などを、スクリーンに映し出して説明してもらいましたが、今年九州に視察旅行に行ってきた水辺の会のメンバーとも話が噛み合って、報告会はおおいに盛り上がりました。JR東日本の皆さんからは、今後の魚道のあり方の研究や、十日町から小千谷までの信濃川を人々に親しんでもらえる川としていく構想においても、一定の努力をはらっている様子を感じ取ることができました。

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