信州の「水」「文化」について講演会・第7回信濃川大河塾のお知らせ

信州安曇野の川野歴史や、川の利用、水の文化に関する講演会と、長野県内の上高地や梓川を訪ねるツアー信濃川大河塾を開催します。

越後では湛水・洪水被害を少な くするため、水を下流にいかに早く流す工夫の「治水」に力点が置かれていました。  一方、千曲川の上流部安曇野の複合扇状地では、水不足の荒地に水を供給し、水をいかに多くの 田で利用するかの「利水」に力点 が置かれ、拾ヶ堰などが出来ました。農業基盤が出来上がった村々は栄え、そこから道祖神文化が花開いていきました。 今年は拾ヶ堰開削 200年にあたります。

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画像をクリックするとチラシ(PDF)をダウンロードできます

信州の「水」「文化」についての講演会

日時:2016年8月11日(木・祝)14:00〜16:40

会場:クロスパルにいがた 4階 映像ホール(新潟市中央区礎町通3ノ町2086)

参加:無料

プログラム

14:00〜14:10 開会・信濃川大河塾について

14:10〜15:10 講演 信州の「水」「文化」について

長野市立安茂里公民館 宮下 健司 館長(元 長野県立歴史館総合情報課長)

15:10〜15:20 休憩

15:20〜16:20 対談 上流と下流の「水」「土」「文化」の違い

長野市立安茂里公民館 宮下 健司 館長(元 長野県立歴史館総合情報課長)

新潟市潟環境研究所長、新潟大学名誉教授、NPO法人新潟水辺の会顧問 大熊 孝

16:20〜16:40 質疑応答

16:40 閉会

主催:NPO法人新潟水辺の会

第7回 信濃川大河塾 梓川上流から下流新潟の「水と土」を考える旅

 

・開催日 2016年8月23日(火)〜24日(水)

・参加費 24,000円(1泊4食、バス代込)

・宿泊地 上高地ホテル(松本市安曇さわんど温泉417)

・定員 40人

・旅程

8月23日(火) 1日目

07:00 新潟駅南口集合・07:10出発、上高地ホテルで昼食後、上高地・梓川自然体感(自由散策)

8月24日(水)2日目

08:30宿を出発、安曇野市豊科郷土博物館見学→梓川サイフォン見学→安曇野用水堰見学→三川合流見学→犀川ダム群見学→昼食→18:30 新潟駅で解散

・お申し込み

チラシ(PDF)をダウンロードしていただき、申込用紙をFAX(025-264-3260)または申込書の内容をメール(ecoline@mvd.biglobe.ne.jp)でお知らせください。

 

講演会・信濃川大河塾ともに

主催 NPO法人新潟水辺の会

お問い合わせ

NPO法人新潟水辺の会 加藤まで(電話025-264-3260 メール ecoline@mvd.biglobe.ne.jp)

 

※信州の「水」「文化」についての講演会および第7回信濃川大河塾は新潟市の水と土の芸術祭 市民プロジェクト」として実施します。

 

 

 

信濃川の鮭遡上状況速報

信濃川に鮭が遡上しているようです。

以下は新潟水辺の会の加藤功世話人からの報告です。

いよいよ千曲川の西大滝ダムへの鮭の遡上が始まりました。

11月22日に長野で開催する「信州の鮭文化を語るシンポジウム」の打ち合わせの為、10月10日に信濃川の宮中取水ダムから遡って千曲川の西大滝ダムの鮭の遡上状況を確認しながら長野へ向かいました。

午前10時過ぎ西大滝ダムに着き、管理用通路から魚道を眺めていると、魚道に設置された左右の捕獲箱に1尾づつ鮭が入っているのを発見しました。

 

14.10.9西大滝ダム魚道

 

早速、毎日朝8時にここに確認に来ている高水漁協の宮本さんに連絡、駆けつけた吉越さんと一緒に今年最初の鮭2尾を採捕しました。

14.10.9-西大滝ダム魚道捕獲鮭-1

1、 体長69cm、体重3.0kgのオス

14.10.9-西大滝ダム魚道捕獲鮭-2

2、 体長72cm、体重2.5kgのオス でした。

 

体重、体長などを確認し、すぐに上流に放流しました。

8時に宮本さんが確認に来た時は鮭は発見できず、自宅に戻ったとの事でした。

その後2時間の間に鮭は西大滝ダムの魚道に遡上したようです。

これを契機に、西大滝ダムを多くの鮭が遡上することを期待しています。

 

 

尚、下流の宮中取水ダムへは鮭の遡上ラッシュが続いています。

下記のグラフをみていただけると経年変化が読み取れると思います。

 

14.10.8-宮中取水ダム1

10月8日までに264尾(オス 158尾、メス106尾)で、今年の目標を大幅に超えそうです。

ご期待下さい。

 

また、11月2日(土)には長野市安茂里公民館にて、「信州の鮭文化を語るシンポジウム」を開催します。沢山の方々のご参加をお待ちしております。

シンポジウムの詳細は“こちら”をご覧ください。

 

 

鮭の発眼卵の河床埋設放流を行いました。

私達新潟水辺の会では、鮭が遡る信濃川・千曲川の復活を目指して、稚魚の市民環境放流や発眼卵の河床埋設放流、長野県の皆さんとの交流・連携などに取り組んでいます。
その取組の一環として、2015年12月20日(日)新潟県長岡市内を流れる湯の谷川で鮭の発眼卵の河床埋設を行いました。会員以外の方も含め総勢12人が作業に参加しました。

 

発眼卵の河床埋設は、日本海から信濃川を遡上した鮭が自然産卵できるまでの間、人が産卵の代替行為を行って鮭のお手伝いをするというものです。

 

湯の谷川は信濃川の4次支川(信濃川→支川の黒川→さらに支川の河久保川→さらに支川の蛇喰川→そのまた支川の湯の谷川)となります。地図は下記をご覧ください。

 

当日は当会の加藤副代表の車に乗せていただき、能代川サケ・マス増殖組合様のふ化場にお邪魔して、埋設する発眼卵2万粒を分けていただきました。

 

能代川サケ・マス増殖組合様では、12~13℃の水温変化の少ない地下水伏流水を汲み上げて鮭のふ化を行っています。

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木の蓋をとると中に受精卵がたくさん飼育されています。

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発眼卵の検卵、ふ化が終わると、こちらの砂利をしいた浮上槽で飼育するとのことです。

 

鮭の卵は受精してから積算温度が240℃になると卵に眼ができた発眼卵の状態となり、480℃になると孵化が始まります。(積算温度=水温×日数 例えば水温10℃で一定なら48日でふ化することになります)

 

今回分けていただいた発眼卵は11月23日に採卵・受精したもので、積算温度は368℃、1粒の重さは約0.24gになります。発眼卵は私達がよく目にするイクラよりも皮が固く白っぽくなっている感じがします。

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積算温度ではあと110~120℃でふ化することになります。この日の湯の谷川の水温は8~9℃だったので、お正月のころにふ化するのではないかと予想されます。

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能代川サケ・マス増殖組合の皆様(左側の3人)と加藤副代表(右端)とで記念撮影。

組合の皆様朝早くからありがとうございました。

現地に向かう途中、11月7日に信州上田の方々と一緒に見学した加茂川を覗いてみました。

 

サケの漁期は終わっているとのことですが、まだ川を遡上してくる鮭が橋の上から見えます。

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現地に到着し、加藤副代表の案内のもと手分けをして発眼卵の埋設を行います。

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長靴に水が入らないように工夫をしてみましたが、長時間はもちませんでした。(短時間の作業ならこの方法もおすすめです)
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現地では加藤副代表の案内で発眼卵を川底に埋設していきます。(下の図は作業手順のイメージです)

発眼卵の河床埋設方法[2]

最初に川底に発眼卵を埋めるための穴を掘ります。

 

次に卵を入れる空間を確保するため、割り箸を格子状に組んだ蓋をかぶせます。この蓋は作業性を良くするため、加藤副代表の発案・手作りのものです。

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格子のすき間にパイプを差し込んで、蓋の上に砂利をかぶせた後、パイプの先にろうとをあてて、発眼卵を穴の中に流し込みます。

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今まではパイプを引き抜くときに卵が流れでてしまうという問題があり、卵を入れた後、さらに小粒の石を流し込んでパイプを引き抜くときに卵が流れ出ないようにするのも今回のもう一つの工夫点です。

 

メス鮭は平均で3000粒の卵を3~4箇所に分けて産卵すると言われているので、今回1箇所あたりに埋設する卵の数は約600粒としました。重さを換算して約140gの発眼卵を計量します。

 

こうして川沿いに移動しながら約30箇所で発眼卵の埋設を行いました。

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また、実際に発眼卵がどの程度ふ化して、稚魚が川を下って行くのかを追跡調査するため、手作りのバイパードボックスに発眼卵を入れたものも2箇所ほど埋設しました。(こちらの方は容量が大きいので800粒を入れました)

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発眼卵は少し位の衝撃にはビクともしませんが直射日光などの紫外線には弱と言われていますので、水の酸素を取り込みながらかつ日光が当らないよう、砂利層の川底にしっかりと埋め込みました。

 

バイバードボックスの中には日々の水温を2時間ごと継続的に記録するための計器をセットしました。3月下旬頃バイバードボックスを回収し、発眼卵の生育状況を追跡する予定です。また、川の表面水温も1時間ごと記録する計器を近くの木に縛り付けました。

 

初めのうちは作業のペースが上がらなかったり、パイプを抜くときに卵が流れ出たりもしましたが、慣れてコツを掴んでくると卵も流れ出なくなりペースもびっくりするほど上がってきました。

 

川の中に入って作業する人も大変でしたが、それにあわせて発眼卵を計量したり道具や材料を運搬していくのもなかなかの作業で、役割分担をうまくやらないと大変だと感じましたした。

 

この湯の谷川は他の川の水温より1℃ほど高い川のようです。現在の水量と水温から推定すると、埋設した発眼卵は3月下旬までには1g位までに成長し、川を下り日本海に向かうことになると考えられます。

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最後はみんなでお互いの労を労いつつ、埋設放流した発眼卵が4年後戻ってきて自然産卵するようになることを願いながらの記念撮影でした。

 

当日の現地は少し雪が積もっていましたが、快晴で気持よく作業ができました。ご参加いただきました皆様お疲れ様でした。ありがとうございました。

 

今回の作業で今年度の鮭の復活に関する活動はほぼ終りとなります。これまでのように3月頃に鮭稚魚の市民環境放流を行えればよいのですが、レッドマウス病の問題もあるため今年度は市民環境放流は行わないこととしました。

 

しかし、活動はこれで終わりではなくレッドマス病の問題の様子を見ながら、継続的に取組んでいきたいと考えています。

 

(この記事は副代表 加藤 功・世話人 杉山 泰彦の共同執筆です)

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