2012年「水枯れの信濃川・千曲川に鮭の道を拓く」鮭遡上報告-3

信濃川中流域の鮭遡上の記録更新中(2012.11.6)

 

現在、信濃川中流域の宮中取水ダムでは戦後最多の鮭の遡上記録が続いています。信濃川に遡上する鮭は早期群ですのでそろそろピークを終えていますが11月5日現在289尾となっています。今年度の遡上調査は11月10日までですので、何尾まで遡上記録が伸びるか興味がつきません。

 

だが、宮中取水ダム上流21kmにある西大滝ダム魚道への遡上はまだ11尾のみです。(昨年35尾)

 

一昨年の10月20日、信濃川河口より253kmの上田市を流れる千曲川の簗場に、メス鮭が65年ぶりに発見され長野県では大変話題となりました。今回その時発見された簗場近くにある「上田道と川の駅」で今年で12回目となる秋収穫祭がありました。新潟水辺の会も長野県の方々に、千曲川の県境に鮭が大量に遡上して来ていることを知っていただくためのキッカケ作りに、「鮭と千曲川のはなし」と「鮭のちゃんちゃん焼き」とレシピを持参して収穫祭に参加してきました。

 
この「上田道と川の駅」は、道路利用者の休憩場所である「道の駅」と、千曲川の自然環境を活かした親水空間となる「川の駅(水辺プラザ)」を一体的に整備したものです。道路及び河川施設を国土交通省が整備、地域振興施設を上田市が整備し、国、市、地域の「おとぎの里」が連携して管理運営を行っています。

 
「道と川の駅 おとぎの里」は、地域の皆さんが会員となり収益事業(農産物や手芸・工芸品などを販売)と公益事業(音楽やダンス、太鼓の演奏、健康づくりや安心・安全な地域づくり、環境の勉強、草刈りや花植えなど美化活動、食の研究と提供、イベントや行事の企画、上田道と川の駅のプロモーション)の一体的推進をはかりながら「豊かな地域づくり」をめざし活動している団体です。

 

上田に行ったのは大熊代表以下、山岸世話人、佐藤事務局次長、加藤の4名です。当日は天気も良く地元の農産品販売はもとより、イモ掘り体験や煮込み、カラオケ、クイズなど盛り沢山な行事があり、親子連れなど多くの人々が訪れました。


最初に国交省千曲川河川事務所長、長野国道事務所長、上田市長などより挨拶の後、大熊代表より昭和の初めまで目の前の千曲川で鮭が獲れる豊かな千曲川であった話があり、地酒の鏡開きのセレモニーが行われました。

 
開会挨拶の中で司会者より、新潟より鮭のちゃんちゃん焼きの振舞い200食があると会場にアナウンスがあると、あっと言う間に長い列ができました。
今回の秋収穫祭で「鮭のちゃんちゃん焼き」をやって、川に遡上した鮭でもおいしく食べれる事を実証しようと当初、調理のベテランを連れて行く予定でした。しかしベテラン調理師の方々が予定が重なったり、急に入院することになり、当日は私たち4名の初心者のみで行うことになってしまいました。


その為10月28日に信濃川漁業協同組合で行われた鮭のちゃんちゃん焼き実演を見て、試食して、そして焼き方などを聞いて本番を迎えたのです。鮭は1日に能代川サケ・マス増殖組合に行って、今年その日までに遡上した20尾より6尾をいただきその場で3枚におろし、ベテランの作った味噌だれに漬けて上田に持ってきました。


一応前日に家で試しにちゃんちゃん焼きをやってみましたが、当日テント前にあれだけ並ばれると初めて焼くとは言えずベテランのように焼くのみでした。午前9時より午後2時頃まで、山岸さんは玉ねぎ、キャベツ、人参、エノキとシメジ、そしてネギを切りぱなしの約5時間でしたが、試食した方々からは「大変おいしかった」とお返事をいただきました。
お陰様で能代川サケ・マス増殖組合より提供を受けた鮭6尾で、200人前のちゃんちゃん焼きを振舞うことが出来ました。お手伝いをいただきました長野大学高橋 大輔教授、ありがとうございました。

 

この半過地区の岩鼻には古くより唐猫伝説が伝わっています。大変面白いので記します。

『この上田道と川の駅近くに、千曲川に向かっての絶壁を、半過岩鼻と呼んでいます。遠い昔、対岸の塩尻岩鼻と続いており、上田盆地は一面の湖だったと言われています。その湖の西に巨大な鼠(ねずみ)がはびこり悪さをするようになりました。畑の作物にとどまらず、人まで食べてしまうほど田畑を荒らしたのです。困り果てた村人は、大鼠を退治できるという猫を、唐の国から連れてきました。唐猫と大鼠は、地形を変えるほど激しく戦いました。所詮大鼠と猫では結果は大鼠の負けです。逃げ場を失った大鼠は岩山を食い破り湖の水は千曲川となって流れ出し一帯は陸地となり、現在の上田平と千曲川が残りました。溺れ死んだ大鼠は下流で打ち上げられたそうで、半過岩鼻の隣に鼠宿という地名が残っています。唐猫は下流の篠ノ井塩崎に打ち上げられ、唐猫神社(軻良根古神社)となりました。』                    石井孝二おとぎの里世話人よりの聞き書き


次回は当会の「水枯れの信濃川・千曲川に鮭の道を拓く」の活動について報告します。続く

立科小学校に鮭の稚魚を育成していただくため運びました

昨年の12月中旬過ぎに長野県立科小学校より、6年生が卒業記念にかつて多く遡上していた鮭の稚魚を育成したいと話がありました。その数日前に、長野県の木島平小学校と野沢温泉村小学校に鮭の発眼卵を運んだ後でしたので、発眼卵がふ化して稚魚になってからお持ちすることになりました。

途中の高速道路は雪の壁になっていました。今年は木島平の持田養魚場へ発眼卵からの育成をお願いしていた鮭のふ化が少し遅く、予定を2週間ほど遅らせて1月30日に首を長くして待っている立科小学校へ、ここ数日60~80cmの雪が毎日降る長野県に山岸世話人と一緒に稚魚を運んできました。

途中木島平小学校に鮭の稚魚の状況を見に伺いました。水槽は学校内の廊下に置かれているため水温が低く、ふ化した稚魚は水槽の底に袋を付けたままじっとしていました。水温記録はここ数日4度以下で、温度を少し上げる必要を感じました。

持田養魚場さんより稚魚を200尾ほどいただき、すぐに立科小学校に向いました。

立科小学校には長野大学の高橋先生にも来ていただき、鮭の育成についてお話をしていただきました。

地元の蓼科ケーブルビジョンのカメラが回る中、児童が水槽に稚魚を移しました。3月18日、大きくなった稚魚を上田市の千曲川で放流することを約束して来ました。

3月17日のシンポジウム及び稚魚放流について打ち合わせをして翌日野沢温泉村小学校の稚魚の状況を見てきました。

ここも廊下にあって水温が5~6度と低いためかまだ袋を付けており、浮上行動はほんの数匹程度でした。浮上行動が起き始めればエサを与えることになります。

新潟への帰りに西大滝ダムに行きましたが、管理用通路は雪に覆われ通行止めになっていました。カンジキを履き雪をこざいて魚道を見てきましたが、魚道も半分近く雪で覆われていました。現在積雪は3mを越えており、稚魚放流の3月17日には稚魚を川まで運ぶため、バケツリレーの道作りしなくてはなりません。

宮中取水ダムでは、魚道改修工事が急ピッチで豪雪の中で進められていました。3月20日までに観察魚道が出来上がるとのことです。期待して待っています。

その後2月3日水槽に薄氷が張りましたが、高橋先生がヒーターをお届けいただいたので立科小学校より元気に水槽で泳いでいる稚魚の写真が届きました。

今後も写真が手に入り次第、稚魚の情報をお届けします。

木島平小学校 鮭発眼卵からの育成-1

12月15日(木)午前8時、新潟県五泉市戸倉地区にある孵化場へ大熊代表と一緒に行き、15万尾の発眼卵をいただき12時少し前に長野県木島平村の持田養魚場に運んで来ました。

その後、消毒した発眼卵150~200尾を近くの木島平村立木島平小学校の関校長先生、藤田教頭先生にお渡ししてきました。

翌日、子どもたちが水槽に発眼卵を入れ、その発眼卵が正月より孵化し始めました。

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