7月20日(土)第13回・通常総会が開催されました。

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7月20日土曜日午後2時15分より、新潟市中央区にあるクロスパルにいがた4階403・404号室にて、第13回・新潟水辺の会通常総会が開催されました。現在の個人会員185名の内、当日の出席36名(委任状87名)により総会の審議が行われ、議長(大熊代表)と議事録署名人(山岸俊男さん、松野直一さん)の選出、第12期の活動総括、決算報告、第13期の活動方針案、予算案、13期の新体制、河口の森の舟小屋建設提案、について審議し、全会一致で議案は承認されました。13期の新体制につきましては、大熊 孝代表の他、副代表には梶 瑶子さん、山岸俊男さん、相楽 治さんの3名が、事務局長には佐藤哲郎、事務局次長には森本 利さんが就任することになりました。(ながらく事務局長を務めてこられた加藤 功さんは、鮭の道復活事業に専任することになりました。)

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総会は冒頭で、7月14日に病のため64歳で亡くなられた進 直一郎さん(元県議であり、当会副代表でした)に黙禱をささげて始まりました。大熊代表は開会挨拶において、進さんが亡くなられたこと、信濃川中流域に317尾(宮中ダム地点297尾)の鮭の遡上を成果として確認できたこと、宮中ダムは26年後の2039年に100周年を迎えるが100年経ったら発電専用でない信濃川のあり方を考えるべきであること、韓国・蔚山市を訪問して感じたことは、韓国が近代工業技術で日本に追いついてきたと思っていたら、環境対策では日本の先に踊り出ていることを痛感したことであった・・・我々はどうしていくのか問われていること、などを語りました。

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今回の通常総会の議案書(案)は、平成24年度の報告につきましては、総括として成果とする事項と課題とする事項に分けて報告し、平成25年度に目指すことにつきましては、活動方針とする事項を列記して提案いたしました。

これは世話人の高齢化等による引退(8人退任、3人新任)などを契機に、会の現状をみつめて、体制や活動のあり方を議論・検討することが必要になっているとの認識にもとづいて、毎月の定例世話人会とは別に自由討議の場を設けて議論・策定したことによるものです。

総括および方針の主な事項を抜き出してみますと、◆総括の成果の部分では、

(1)会運営に関して・・・①13名の新入会員を迎えた

(2)鮭の道復活の取り組みに関して・・・①三井物産環境基金からの助成金(鮭の道復活事業)を、さらに3年間継続することができた、②鮭稚魚の市民環境放流を7カ所で実施、児童324名、大人534名の参加を得て、26万尾の稚魚放流を行った、③鮭稚魚放流活動の成果として、宮中取水ダム地点で297尾の最多遡上数を記録した、④上田「道と川の駅」浦野川にて鮭の発眼卵(10,000粒)の着床・孵化の試みを行い、自然産卵の道を拓く取り組みに着手した、⑤長野県内に拠点と協力者を得ることができた(上田「道と川の駅」、おとぎの里、3小学校)、⑥宮中ダムの魚道改修や西大滝ダムの迷入防止ネットの設置、稚魚放流活動への協力など、JR東日本および東京電力に理解と協力の姿勢がうかがえた

(3)通船川を拠点とした活動に関して・・・①「つうくり市民会議」の取り組みを、パート1(歴史・環境講座)とパート2(工場見学と川の未来を語り合う)に分けて実施した、②通船川の川清掃と親水活動が、自発的参加者によって支えられるようになってきた、③清流回復3号のエンジン盗難は災難であったが、54名の方々から145万円の寄付を得て復旧することができた、④河口の森周辺の整備(植樹、舗装)が進められ、舟小屋建設の夢が近づいた

(4)その他・・・①新潟市の交流協定都市である韓国・蔚山市に、水辺環境の視察に訪問し(当会から10名)、水質改善の取り組みの核心を学ぶことができた、・・・などの事項が特記されます。

◆総括の課題の部分では、

(1)会運営に関して・・・①会の現状をみつめて、活動のあり方や体制の検討が必要になってきた、②会員とのつながりを重視した会運営が重要になっている、③新潟市の水辺情報を把握し、会員・市民の関心や活動動機づくりに応える活動が求められている(会の原点回帰)、④三井物産環境基金の助成金はH26年度で終了するので、その他の活動資金(助成金、寄付金、事業収入)の獲得を検討する必要がある

(2)通船川を拠点とした活動に関して・・・①通船川の水質改善の見通しについて戦略的な議論が必要、②栗ノ木川から鳥屋野潟への川通しについて、少なくとも将来の可能性を残す活動と対策が求められる、・・・などの事項が特記されます。

◆新年度の方針の部分では、

(1)会運営に関して・・・①3事業部{ア.新潟の水辺を考える文化事業部(情報把握と発進、広報・営業)、イ.通船川を拠点とする水辺環境事業部(鳥屋野潟の水面とのつながりも展望)、ウ.信濃川・千曲川鮭の道復活事業部}を設置して具体的な活動を推進し、会員の自発的参加を求めてゆく、②世話人会の運営に関しては、理念・目的・具体策にかかる議論を尊重し、各事業部の活動計画と収支計画を世話人会に提案して、チームとして活動を進めてゆく、③事業収支は毎月または隔月で確認して、効果的な資金活用に努める、④新潟市の水辺情報を把握し、会員・市民の関心に応えてゆくとともに、会員・市民が楽しく参加できる企画を増やして会員獲得の努力を進める、⑤新たな活動資金(会費、助成金、寄付金、事業収入)の獲得に向けた模索を進め、公共性の高い活動については行政に活動の対価を求める提案や方策について検討する

(2)通船川を拠点とする活動に関して・・・①通船川の川清掃と親水活動の参加者を増やし、地域に認められ支持される活動をめざす、②河口の森の整備と舟小屋建設、そしてカヌー増艇の実現に向けた取り組みを開始する(万代高校などとの連携を深める)、③通船川の水質改善と鳥屋野潟への川通し実現に向けた取り組みを模索・検討する

(3)鮭の道復活の取り組みに関して・・・①宮中ダム地点で数百尾の鮭遡上を実現してゆくことをめざして、稚魚放流活動を継続実施するとともに、自然産卵の道を拓く活動、学校の川学習の動機を育てる活動を継続してゆく、②長野・新潟両県の拠点・協力者との関係を強化し、上・中流の受け皿となる連携組織を見い出して、今後の活動の道すじをたてる、③流域の自治体(特に稚魚放流地点)の理解と支援を得る努力を重ねる、・・・などの事項が特記されます。

上記の方針にもとづいて新年度の活動に踏み出すことになりますが、会員とのつながりを重視し、会員・市民の関心に応えてゆきたいと考えておりますので、皆様から、具体的なご意見ご提案を寄せていただきますように、お願い申し上げます。

総会は15:30に終了し、その後15:30から16:45までは記念講演会を行いました。講師は地域の茶の間「うちの実家」の活動を続けてこられた河田珪子さんにお願いして、「人と人とのつながりから広がる安心社会」と題するお話しを伺いました。河田さんは講演の中で、本当に切実な必要にせまられて・・・助け合いの仕組み「まごころヘルプ」を立ち上げ、・・・ほっとできる居場所「地域の茶の間」を立ち上げてきた経緯を語られましたが、それらを実行・実現してきた河田さんが語る「心に感じたことを、形に(実現)していく」という言葉が、凛として私たちの心に響きました。

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講演会終了後は、別会場(古町「安兵衛」)に移動して、懇親会が開催されましたが、例年以上に会の運営や活動のあり方についての熱い議論が交わされました。参加者の中には「講演会の内容は素晴らしかったが、課題を提起した総会なのだから、もっと議論の時間を確保してほしかった」という声もありました。         (事務局長:佐藤哲郎)

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