利根大堰魚道見学と利根川水系五行川鮭守の会訪問-2

翌12月1日、栃木県真岡市五行川で活動しているNPO法人 鮭守りの会を訪問した。

五行川は関東平野北部を北から南へと流れる一級河川である。利根川水系小貝川の支流で栃木県さくら市の旧氏家町に源を発し南へ流れ、茨城県筑西市で小貝川へ合流する。真岡市の五行川は、利根川の河口より150kmあるという。

真岡市と五行川の位置図            五行川でのサケの採捕状況

NPO法人 鮭守りの会は、9年前に発足し、五行川と小貝川流域の住民と子供たちに、鮭の一生を通して自然や命の尊さを知らせること、また、鮭の生態系保護活動に関する事業を実施し、河川の大切さや素晴らしさの啓蒙活動を行うことを目的としている。更に「河川占用・工作物設置」の許可を得て重機を使い、10月上旬から12月上旬の間に「せきウケ」を設置し、親鮭の特別採取捕獲を得て、採卵・授精・孵化、そして育成する一貫した鮭の保護育成活動を2006年より実施している。今年は160尾の特別採捕許可を受けているが、約2,000尾の鮭が遡上しているという。

川を見つめる黒子会長       鮭の遡上期には歩道橋に多くの人が集まる

ここの団体のすごさは、自前で鮭捕獲のトラップを作り重機を動かしウライを設置する。更に自分たちでコンクリートを捏ねてプレハブながら50坪ほどの孵化場と孵化施設、自動餌まき機を製作していることである。

   プレバブ内での鮭稚魚の孵化施設      プレバブ全景、右のシートは観察用大型水槽

真岡市には1500年有余の歴史を誇る延喜式内の大前神社が五行川沿いにある。祭神は福の神様のだいこく様とえびす様で、開運招福の願いを叶えてくれる神様であり、この会を全面的にバックアップしている。会の目標は鮭ミュージアムを作ることと夢は大きい。今後もこの会と連携して、千曲川にもっと多くの鮭が遡上できる河川環境にして行きたいと願いを新たにした訪問であった。

 

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