2014年 鮭の発眼卵育成-2

昨年の12月17日我が家の車庫の水槽に発眼卵200粒を入れ、水温のデータロガー装置をセットし日よけと保温のために昨年同様に厚めの布を掛けました。能代川サケ・マス増殖組合で15日いただいた時の発眼卵の積算温度が約335度、ふ化する480度まで145度、我が家の水温が7~8度と計算すると17~20日かかり、ふ化の始まるのは昨年同様に年末と考えていました。

発眼卵から稚魚へ

昨年の発眼卵を水槽に入れてからふ化し稚魚への移行写真

 

12月31日11時頃木島平小学校の関校長先生よりメールが入り、昨年より4日程早く20匹くらいふ化しているとの事でした。早速我が家の水槽も覗いてみたのですが、全く変化はありませんでした。その後1月1日、栄小学校の真嶋先生よりこちらでもふ化が始まったとの電話がありましたが我が家の水槽は相変わらずふ化はまだでした。

14.1.1浦山の水槽変化なし

まだふ化していない水槽内部

 

1月4日、もうそろそろではないかと朝5時半頃見たが変化がない。午後3時過ぎに覆いをめくると泡が水面に浮いている。ふ化が始まったのだ。

14.1.4浦山の水槽ふ化の始まり

白い泡の「ふ化酵素」と、目だけ大きくお腹に卵黄という栄養が入った袋を抱いた仔魚

 

それから2日経って7割がふ化したようですが、2粒が真っ白くなってカビの様なものが生えていたので水換えの時に取り除きました。

14.1.5、6日の浦山の水槽

 石の窪みにかたまって入っている鮮やかなオレンジ色の仔魚たち

 

この分では10日までには我が家の発眼卵は、完全にふ化が終わると思っています。

長野県の小学校もふ化が始まっていますので、写真が送られて来次第アップします。

 

2014年 鮭の発眼卵育成-3に続く

 

※この活動は三井物産環境基金の助成を受けて行っています。

2014年 鮭の発眼卵育成-1

プレゼンテーション1

今年も「水枯れの信濃川・千曲川に鮭の道を拓く」の活動報告をさせていただきます。

 

浦野川での発眼卵埋設放流の終えた翌日、今年も長野県内の5つの小学校に鮭の発眼卵(各校約200粒)をお持ちし、ふ化から稚魚放流までの育成をお願いして来ました。

県北の小学校は年末で学校行事のため午前中に来てくださいとの連絡があり、上田道と川の駅 おとぎの里の石井孝二さんに上田市立南小学校への発眼卵のお渡しをお願いし、私たちは残りの4小学校へ向いました。

長野県内発眼卵飼育の5小学校

 

◆ 飯山市立岡山小学校

9時半分過ぎ、西大滝ダムに近い飯山市立岡山小学校に到着しました。この小学校に発眼卵育成をお願いしたキッカケは、9ヶ月前の3月に西大滝ダム下流で実施した鮭の稚魚放流の際、川まで安全に皆さんが下れるように東京電力の方と一緒に除雪を行っていただいた高水漁協の宮本さんの自宅近くにある岡山小学校の先生を稚魚放流にお誘いしたことからでした。その際岡山小学校の児童の大半が参加したことをお聞きし、是非稚魚への育成をやりませんかとお話をした処、原田校長先生より快諾を得て実現したものです。

飯山市岡山小学校へ発眼卵を-1

 積雪20センチ程のある飯山市岡山小学校と廊下に置かれた水槽

 

早速、原田校長先生ほか全校生徒13名がやってきました。山岸さんより飼育の方法説明があり、生徒の代表より約200粒の発眼卵を水槽に入れていただきました。

飯山市岡山小学校へ発眼卵を-2

 生徒13名の小さな小学校ですが、家族の様に暖かい雰囲気でした

 

その後、鮭の発眼卵からの育成日記をお渡しし、次の栄小学校に向かいました。

 

◆ 栄村立栄小学校

岡山小学校を出る時栄小学校の真嶋先生に電話連絡しておきましたが、小学校の正面玄関を入ったホールには水槽が置かれ、今年発眼卵を見守ってくれる5年生21名が勢ぞろいして待っていました。こちらも昨年の3月の西大滝ダム稚魚放流の際、真嶋先生ほか児童が参加していたので次回は稚魚への育成をやりませんかとお声掛けした経緯がありました。

長野県栄村栄小学校へ発眼卵を-1

豪雪地帯の栄村小学校、直ぐ向かいに保育園がある

 

挨拶もそこそこに児童より多くの質問攻めにあいました。その後「発眼卵を水槽に入れる希望者は居ますか」と聞くと全員が手を挙げるほどで、千曲川や鮭の事について勉強していることが良く分りました。 長野県栄村栄小学校へ発眼卵を-2

約2万粒の発眼卵を初めて見る児童は、「イクラの卵だ」、「目が動いた」と感動していた

 

この小学校の裏に千曲川が流れており、数年後、中学生になった子どもが鮭を発見できれば素晴らしいのにと想像しながら野沢温泉小学校に向かいました。

 

◆ 野沢温泉村立小学校

7年前の2007年より始めた鮭の稚魚放流でしたが、その時より野沢温泉小学校の児童たちがこの行事に参加してくれています。そして、3年前より発眼卵の生育を一緒に行ってきてくれています。

野沢温泉小学校へ発眼卵を-1

岡本太郎さんの「夢」の暖簾と、児童の目標が私たちを迎えてくれた

 

今年も教務室前の廊下に置かれた水槽前に、堀籠校長先生、5年生担任の斉藤先生と32名が勢ぞろいし、発眼卵を入れました。早速発眼卵の目の特徴を観察ノートに書いていました。3月15日には、大きく育った他の稚魚と一緒に、千曲川へ放流することを約束し、木島平小学校に向かいました。

 

◆ 木島平村立小学校

関校長先生は公務で出張しお会いできませんでしたが木内教頭先生にお会いし、3年1組の児童と一緒に発眼卵を水槽に入れて、早くふ化するように願ってきました。

木島平小学校へ発眼卵を-1

競技スキーが盛んな木島平小学校とホールに設置された水槽

 

今年3月15日、馬曲川の稚魚放流後のこちらの木島平小学校体育館にて「鮭発眼卵からの育成と稚魚放流 児童発表会」を、関校長先生、村の教育委員会様と一緒に計画しています。

木島平小学校へ発眼卵を-2

子どもたちから発眼卵を水槽に入れていただく

 

この児童発表会は、千曲川流域の文化を育てる次世代の子どもたちに、鮭の発眼卵からの育成を託し、生命の大切さを学んでいただき、稚魚放流を通じて故郷の信州を愛する郷土愛が芽生えていただけたらと思っています。また、鮭は生まれた川に回帰することにあわせ、児童たちが大きくなって故郷に帰って来ていただく願いをも込めたものです。

 

後日詳細が決まり次第お知らせ致します。

 

◆ 木島平村持田養魚場

午後、能代川サケ・マス増殖組合より運んできた発眼卵12万粒の残り10万粒を、木島平村持田養魚場に運び込みました。

信濃川の下流で受精した発眼卵ですが、ふ化より稚魚に育つ大切な時間を千曲川の水で育てたいと4年前より始めたものです。

木島平村の持田養魚場へ

湧水豊かな持田養魚場は、木島平スキー場を望める場所にある

 

稚魚放流の際いつも気が付くのは、ここの湧水の水温が高いことや、飼育管理の安全が徹底されているせいか、稚魚は他に比べ大きく育っている事です。1gどころか、2g近い稚魚もあるくらいです。ただ、持田養魚場さん宅の稚魚を運ぶ車の水槽が小さく、1回に運ぶ稚魚がせいぜい4万尾で大量に運べないことがこちらの難点です。

 

◆ 上田市立南小学校

昨年より南小学校に発眼卵の育成をお願いしています。今年発眼卵を石井さんにお願いして上田市立南小学校にお持ちし、水槽に入れていただきました。ありがとうございました。

上田南小学校へ発眼卵を-1

いつも天気が良い上田と、南小学校の水槽で始まった鮭のふ化作業

 

◆ その他浦山の我が家の車庫

昨年と同様に、発眼卵を我が家の車庫の水槽にて育成しています。前回約400尾を飼育したのですが、この水槽では少し数が多く狭いようなので、今年は半分の200粒の育成にしました。

浦山車庫の水槽

 

3月中旬の稚魚放流まで、鮭の発眼卵育成を随時報告させていただきます。

 

 

※ 新潟水辺の会は、鮭の放流・回帰を単に漁業としての復活を目標とするものではなく、長野で産卵・孵化した鮭の稚魚が安全に日本海まで降り、再び成魚が河口新潟から長野まで遡上できる本来の川にしたいと願って2007年より活動を行っています。

 

2014年鮭の発眼卵育成-2に続く

 

※この活動は三井物産環境基金の助成を受けて行っています。

 

 

2013年 鮭の発眼卵埋設放流-3

◆ 川底に発眼卵を直接入れる「直まき埋設」

 

今回初めて行う「鮭発眼卵の直まき埋設」は、当会が目指す「長野で産卵・孵化した鮭の稚魚が安全に日本海まで降り、再び成魚が河口新潟から長野まで遡上できる本来の川にしたい」想いを、この方法は、将来に渡って活動を持続するための大きな可能性を持つものと考え実施しました。

発眼卵の直まきのやり方

 埋める場所を決め、川底に窪みを作り、漏斗から発眼卵を空間に入れ、漏斗をゆっくりと抜く

 

ご存知のように私たちが日常食べている鮭は、北海道など海の沖で捕まえる鮭で、魚体も銀色をしています。それは生まれた川に戻る前に捕獲されたもので、川に入る頃になるとブナ毛と呼ばれる、タテ、ヨコに紋様の婚姻色が出来、雄は鼻も曲ってきます。

生まれ故郷の川にある障害をいくつも乗り越えふ化した場所に戻り、産卵場を探します。雄と雌による巣作りが始まり、雌は産卵床になる穴を掘り、雄はほかの雄が近づくのを防ぐと言われています。

鮭の産卵への動き

産卵と産卵床の様子

 

穴が掘られると、雌は数回にわけて放卵を行い、同時に雄は放精を繰り返し、受精が行われます。産卵が終ると、雌は卵を外敵から守るために穴を砂利で覆います。産卵される卵は、1尾当り約3,000粒だそうです。

鮭の産卵後、一生と食物連鎖

 鮭の産卵後、一生と食物連鎖

 

この産卵行動が3~5日続き、産卵を終えた鮭は死んでしまいますが、自然の中では鳥や獣のエサになっています。また、死がいは微生物によって分解され、川の中でプランクトンになり、冬季、卵から孵化した稚魚のエサにもなるので、親鮭は死んでも子供のために活き続けているのです。

 

◆浦野川へ「発眼卵の直まき埋設」

今回の活動の為、日本海区水産研究所の飯田さんに技術指導を仰ぎ、長野大学の河川生態学のゼミ生にお手伝いいただきました。自然の産卵床が出来るように川底に深さ10~20センチの穴を掘ってくぼみを作り、そこにパイプを突き立て、漏斗から発眼卵を入れて川底に埋設しました。

浦野川での発眼卵の直まき-1

浦野川での作業風景

 

この埋設は浦野川で16ヶ所、親水水路で16ヶ所、合計32ヶ所の埋設を、初めてでしたが何とか終えることができました。

親水水路での直まき作業風景

 親水水路での作業

この頃になると太陽も傾きかけて、上田道と川の駅の象徴である岩鼻に隠れ始め寒くなり始めます。やはり12月の信州は寒い、ブルブル。

太陽が岩鼻に隠れ始めた中での測量作業

 太陽が岩鼻に隠れ始めた中での測量作業

 

作業を終えて北を見ると冠雪した浅間山が望めた。

北に冠雪の浅間山が見える

 

作業終了後、お手伝いをいただいた皆さんと記念撮影を行い解散しました。

上田 道と川の駅 おとぎの里の石井さん、長野大学の高橋先生と河川生態学のゼミ生の皆さん、日本海区水産研究所の飯田さん、軽井沢の沼田さん、ありがとうございました。調査経過は随時お知らせさせていただきます。

参加者の皆さんと一緒に、道と川の駅前で記念撮影

 

今回の発眼卵埋設放流の結果は3~4年後、千曲川に鮭が戻ってきて始めて証明されるものです。今後は発眼卵が順調にふ化して行くかを、今回上田 道と川の駅 おとぎの里の皆さんと一緒になって、浦野川に設置した河川水温の変化を来月中旬にデータ回収に伺いたいと考えています。

 

2013年   鮭の発眼卵育成-1に続く

 

※この活動は三井物産環境基金の助成を受けて行っています。

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