「河川工学者三代」出版記念会ご案内

本年 3 月に発行された『河川工学者三代は川をどう見てきたのか――安藝皎一、高橋裕、大熊孝と近代河川行政一五〇年』(篠原修著、農山漁村文化協会)を題材として、河川工学者三代が現代に投げかけているものとは何か、4 人の登壇者の対話から探っていく特別座談会を開催します。奮ってご参加ください。

*篠原修著『河川工学者三代は川をどう見てきたのか』出版記念会*

GS 景観塾 特別座談会「河川工学者三代を語る会」

日時|2018 年 6 月 21 日(木)16:30~19:30

場所|東京都文京区本郷 7 丁目 3-1 東京大学工学部 11 号館 1F 講堂

(東大正門を入ってすぐ左手の古市公威銅像の隣の建物)

プログラム|

(司会進行)  崎谷浩一郎(GS 幹事/株式会社 EAU 代表)

16:30-16:40   開会挨拶  田口均(株式会社農文協プロダクション)

16:40-18:15   座談会

登壇者  篠原修(著者/GS 代表/東京大学名誉教授)

大熊孝(河川工学者/GS 名誉会員/三人委員会哲学塾/新潟大学名誉教授) 内山節(哲学者/三人委員会哲学塾/元立教大学大学院教授)

コーディネーター

鬼頭秀一(環境倫理学者/三人委員会哲学塾/星槎大学副学長/東京大学名誉教授)

18:15-18:25   会場質問

18:25-18:30   閉会挨拶、懇親会案内

18:30-19:30   懇親会

※終了後、会場近辺にて簡単な懇親会を行います。詳細は当日ご案内いたします

■共催|特定非営利活動法人 GS デザイン会議/出版記念会発起人一同

■参加費|(懇親会費含む)一般 2,000 円、学生 1,000 円

■定  員|100 名(先着順)

■申し込み|

GS デザイン会議事務局(メールアドレス:info@groundscape.jp)へ、

「お名前」「一般 or 学生」「御所属」をご連絡ください。

■お問い合わせ|GS デザイン会議事務局

電話: 03-5805-5578 / FAX: 03-5805-5579

E-mail: info@groundscape.jp

チラシをダウンロードする。

特別座談会「河川工学者三代が語るもの」趣旨説明

本座談会の題材とする『河川工学者三代は川をどう見てきたのか――安藝皎一、高橋裕、大熊孝と近代河川行政一五〇年』(前出)は、近代河川行政の展開と思想を、安藝皎一、高橋裕、大熊孝という希代の河川工学者三代の生き方、学と実践を通じて描いている。

 

第一部「内務省河川行政の時代」、第二部「復興・高度成長と河川」の記述をうけ、現代における到達点と今後の課題を論じているのが、第三部「環境・景観・自治の河川へ」である。本座談会では、この「環境・景観・自治の河川」というテーマについて掘り下げていく。

 

「環境・景観・自治の河川」を考えるとき、大きな示唆を与えてくれるのが大熊氏の著作・発言・実践である。また文中でも触れられているように、大熊河川工学の形成においては、大熊氏に大きな影響を与えてきた三人委員会哲学塾の議論や活動は重要な手がかりとなる。

 

そこで本座談会では、著者である篠原修氏、本書の主人公の一人である大熊孝氏、そして大熊河川工学と密接な関係にある、三人委員会哲学塾の内山節氏と鬼頭秀一氏にお集まりいただき、河川の今後について、ひいては今後の社会のあり方について、縦横に語っていただく機会としたい。

書籍「河川工学者三代は 川をどう見てきたのか」発売中です。

1月からの事前予約にはたくさんのお申込みをいただきありがとうございました。

3月末に無事出版することができ、書店等で販売をしています。

新潟水辺の会顧問の大熊 孝先生、大熊先生が師事した高橋裕先生、さらに高橋 裕先生が師事した安藝 皎一先生と三代の河川工学者の生き方や学術的な歩み、また近代河川行政 150 年と、それに関わった河川技術者・工学者が川をどのように捉えてきたかを篠原 修東京大学および政策研究大学院大学名誉教授の執筆による書籍「河川工学者三代は 川をどう見てきたのか 安藝皎一、高橋裕、大熊孝と近代河川行政一五〇年」が出版されました。

たくさんの事前予約をいただきましたことを御礼申し上げますとともに、ご興味をお持ちの方はぜひお買い求め下さい。

書名:「河川工学者三代は川をどう見てきたのか 安藝皎一、高橋裕、大熊孝と近代河川行政一五〇年」

著者:篠原修

発行日:2018年3月30日

発行:(株)農文協プロダクション

販売:(一社)農山漁村文化協会(農文協)

定価:本体3,500円+税

チラシ(PDF)はこちらからダウンロードできます。

田舎の本屋さん、Amazon.co.jp、お近くの書店等でお買い求め下さい。

以下、宣伝チラシからの転載になります。

 

【本書の内容】

本書には二つの主題(テーマ)がある。一つは、安藝皎一(1902~1985)高橋裕(1927~)、大熊孝(1942~)とつながる河川工学者三代のユニークな生き方と学の歩みを評伝のかたちで描くこと。もう一つは、この三人の行動と発言を手がかりにしながら、近代河川行政 150 年と、それに関わった河川技術者・工学者が川をどのように捉えてきたかを描くことである。

大熊は高橋のもとで、そして高橋は安藝のもとで河川について学んだ。技術官僚から政策官僚となった安藝皎一、歴史家、論説家にして土木のスポークスマンの高橋裕、そして市民の河川工学者、大熊孝とそれぞれ立ち位置は異なるが、河川改修史に重点を置いた歴史的現場的な視点をもちつづけ、明治以降の近代河川行政に批判的な立場をとりつづけた点では共通する。河川工学者三代とよぶ所以もそこにある。

希代の三人の河川工学者を通じて、近代河川行政の目標と到達点、そして環境や景観、脱ダムや河川整備計画への住民参加など、今後の課題を明瞭かつリアルに描く本書は、技術者、研究者、行政関係者はもちろんのこと、河川に関心をもつすべての人にとって必読の書である。

 

【著者紹介】

篠原修:1945 年生まれ。東京大学工学部土木工学科卒。東京大学および政策研究大学院大学名誉教授。工学博士。GS(グラウンドスケープ) ザイン会議代表。著書『土木造形家百年の仕事』(土木学会出版文化賞 受賞)『土木デザイン論』(土木学会出版文化賞受賞)『都市の水辺をデザインする』(編共著)ほか多数。

 

 

【本書の主人公】

安藝皎一:1902 年生まれ、1985 年没。内務省、東京帝国大学教授(兼任)。資源調査会初代事務局長、関東学院大学工学部教授、日本河川開発調査会会長等を歴任。著書『河相論』『河川工学』『日本の資源問題』『水害の日本』『日本思想体系 62 近世科学思想 上』(校注・解説)ほか多数。

大河津分水補修工事竣工記念碑の前で高橋裕氏と大熊孝氏

高橋裕:1927 年生まれ。東京大学第二工学部土木工学科卒。日仏工業技術会会長、東京大学名誉教授。著書『国土の変貌と水害』『都市と水』『地球の水が危ない』『川と国土の危機』『現代日本土木史』『川から見た国土論』『河川工学』ほか多数。

大熊孝:1942 年生まれ。東京大学工学部土木工学科卒。新潟大学名誉教授。工学博士。NPO 法人「新潟水辺の会」顧問。新潟市潟環境研究所所長。著書『利根川治水の変遷と水害』『洪水と治水の河川史』『川がつくった川、人がつくった川』『技術にも自治がある』ほか多数。

 

【「はじめに」より】

……大熊は専門外の人間は知らないであろうが、河川の分野では知られている人物である。

特に脱ダム派の学者として。ただし有名になったから書こうとするわけではない。DR 論文以来一貫して建設省、国交省の河川行政を治水計画の観点から批判し、とりわけて優れているのは、地道な現場調査と考察に基づいて「大熊河川工学」を築き上げたことである。更に言えば、時の権力や権威におもねる事なく「拙」を貫いてきた姿勢に共感を覚えるからである。

「拙」という生き方は筆者が最も尊敬する夏目漱石が最も重視していた姿勢であった。

……大熊に聞き、資料を調べると、大熊のような人物が俄かに出てきたわけではない事に気づかされる。大熊の先生である高橋裕も建設省の河川行政に批判的な学者で、大熊は高橋の講義に触発されて河川の途を選んだのだった。高橋無くして今の大熊は無いのである。その高橋に聞くと安藝皎一先生が居なければ、河川をやっていなかったと言うのである。やはり高橋も安藝に惹かれて河川の途を歩み始めたのであった。かくして大熊を描こうと考えた評伝は、必然的に安藝、高橋、大熊の河川工学者三代の評伝となった。

……どうせ書くなら安藝が、高橋が、大熊が批判の対象とした明治以降の近代河川行政とはいかなるものだったのか、それを知りたくなる。必ずしも安藝以下の批判が常に的を得ているかどうかは分からないが、それも筆者なりに判断してみたい。「やめたほうが」という声が耳元に響いた。一応土木工学科で学んだとは言え、河川については素人なのだから。

……でもやってみようか、という気持ちになったのは土木技術者の評伝を書いている作家が、おしなべて文系の出身で土木の理論や技術に疎く、肝心だと思われる点に突っこみが不足し ていると不満を感じていたからかもしれない。筆者は丁度、碁や将棋で言う「岡目八目」の 位置にいる。全くの素人でもなく、プロの当事者でもない方が戦局がよく見えるという事も あり得る。こういう具合に自分を納得させて、無謀な執筆に取り掛かったのであった。

 

【目次】

内務省河川⾏政の時代
 序章 川との付き合い⽅、議論のポイント
 第1章 内務省⼟⽊局の河川⾏政
 第2章 安藝皎⼀の登場
 第3章 TVAと河⽔統制事業、宮本武之輔
復興・⾼度成⻑と河川
 第4章 戦後⼤⽔害の時代(昭和⼆〇〜三四年)
 第5章 ⾼橋裕と安藝皎⼀の出会い
 第6章 ⽔害論争
 第7章 教授・⾼橋裕
 第8章 ⾼度成⻑時代の河川⾏政(Ⅰ)
 第9章 河川⼯学者・⼤熊孝の出発
 第10章 ⼤熊と宮村忠、⾍明功⾂
 第11章 ⾼度成⻑時代の河川⾏政(Ⅱ)
環境・景観・⾃治の河川へ
 第12章 ⼤熊孝、⻑岡へ
 第13章 ⾼橋裕の⼟⽊学会
 第14章 市⺠⼯学者・⼤熊孝
 第15章 環境・景観対応の河川⾏政
 第16章 河川⾏政、残された課題

【大熊孝先生からのコメント】

河川行政を通史的に書いた本としては、西川喬著「治水長期計画の歴史」(財・水利科学研究所、昭和 44 年 11 月発行)ぐらいしか私は知りません。これは、昭和 39 年の河川法改正直後に書かれたもので、水資源の動向についてはほとんど触れていません。ましてや平成 9 年の河川法改正後の環境や景観を含めた、河川行政史はまだ皆無です。

篠原さんのこの本は、平成 9 年の河川法改正も踏まえた形で論述されており、出版されれば画期的と言えるのではないかと思います。

この本には、これまでの河川行政、河川工学に批判的な内容も書かれています。しかし、土木技術者の「心」――技術者としての良心・矜持はもちろんのこと当事者としてのつらさも含めて――とでもいうものを理解している、土木屋である篠原さんが書かれているという点でも画期的とも言えるのではないでしょうか。
篠原さんの今回の本が出ることによって、土木屋自身、そして世の中からの土木に対する目も変わっていくのではないかと期待する次第です。

 

【チラシ】

チラシ(PDF)をダウンロードする。

 

 

講演録 「水と自治-技術にも自治がある?」

紙面の一部(画像をクリックすると記事全体のPDFを表示します)

紙面の一部(画像をクリックすると記事全体のPDFを表示します)

立教大学ESD研究所主催で2015年10月16日に同大学太刀川記念館において開かれた大熊孝講演会での講演録を掲載します。

この講演会は、環境社会学会も共催しており、立教大学の関 礼子先生が「水と自治」として企画してくれたものです。

この講演録は、北海道からわざわざ聞きに来てくれた中川大介さん(人と水研究会共同代表)がまとめてくれたものです。

人と水研究会』のホームページにも掲載されていますので、そちらのホームページにもアクセスしていただけたら幸いです。

 

記事全文(PDF)のダウンロードはこちらです。

 

 

「人と水研究会」とは

近代社会の中で治水や利水で安心や安全を手に入れた半面、「地域の水や自然とのかかわり」「水との付き合いの中に生まれる人同士のかかわり」を失ってきたように見えます。本会は、その反省のうえに、新しい社会のありようを考え「豊かで持続可能な社会」に向けて「人と水」について考える会です。
2013年1月、札幌市で設立。ジャーナリスト、デザイナー、研究者、コンサルタント、NPO職員、行政職員らが参加し、会報を発行しています。

 

ぜひ、こちらのサイトもご覧ください。

URL http://hitomizu.jimdo.com/

 

 

編集より

講演録を無料で公開いただきました「人と水研究会」の皆様方へあらためて御礼申し上げます。

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