千曲川環境シンポジウム&鮭稚魚の市民環境放流の報告-1

3月17日(土)朝7時過ぎ、新潟より日本ボーイスカウト新潟連盟 黒埼第1団の6名を含む22名が長野県に向けてマイクロバスで出発しました。今回の目的は上田市での千曲川環境シンポジウムを主催団体として実施すること、そして長野県の西大滝ダム下流の千曲川と上田市の千曲川及び馬曲(マグセ)川の合計3箇所で、13万尾の鮭稚魚の市民環境放流を行うものです。

今年は3月半ばを過ぎても山添の雪はまだ多く残っていました。

◆千曲川 西大滝ダム下流での鮭の稚魚放流

午前10時前に冷たい雨が降っている西大滝ダムに着きましたが、前日より東京電力の方と高水漁協の宮本さんにより除雪がされて、放流場所の川原に安全に下れるように道がついていました。除雪などのご協力、ありがとうございました。

今回の稚魚放流は木島平村の持田養魚場での発眼卵から育成の稚魚5万尾のほか、昨年の12月中旬より野沢温泉村小学校に同じく鮭の発眼卵からの育成をお願いしていた稚魚(約200尾)も併せて放流を行うものです。一時水槽の濾過装置がずれたりして心配した稚魚でしたが、すっかり大きくなった稚魚はふた付きのバケツに入れられ野沢温泉村小学校の傳田校長先生以下6年生の生徒さん達と村のバスに乗ってやって来ました。また、地元東大滝の水井区長さんと地区の親子数名も雨の中でしたが来てくださり、関係者も含め参加者全員(約60名)で道路から千曲川までの約50mをバケツリレーで運び、「3~4年後にここに帰っておいで」と声をかけながら約5~7センチに育った鮭の稚魚を放流しました。

雨が降っていたため、スノーシェードの中で記念撮影

◆上田市での千曲川・川の恵みを考えるシンポジウム

放流後豊田飯山ICより上信越移動車道に乗り上田市に向いました。

午後2時30分より新生上田市5周年事業の千曲川環境シンポジウム「千曲川・川の恵みを考えるシンポジウム」を、上田駅前のプラザビル2階の会議室で約70名の参加者にお出でいただき開催しました。

 

主催者のあいさつ  初参加の稚魚放流について感想発表するボーイスカウトの子ども達

 

2010年10月20日、信濃川河口より253km地点の上田市の千曲川で、メス鮭が65年振りに発見されたことがきっかけで昨年3月20日にシンポジウムを同会場で開催予定でした。しかし3月11日の東日本大震災の発生によりシンポジウム及び鮭稚魚の市民環境放流行事を中止した経緯があり、二年越しのシンポジウム開催となりました。このシンポジウムの詳細については近日中にホームページにアップします。

大熊コーディネーターと4名のパネリスト

◆上田道と川の駅そばの千曲川へ「鮭稚魚の市民環境放流」

18日(日)9時前、上田市小泉の国道18号上田坂城バイパス沿いにある「上田道と川の駅」に集合しました。ここは2010年10月、65年振りにメス鮭が発見されたヤナ場より400m程下流にあり、岩鼻と呼ばれる断崖を背景に千曲川を見渡せる自然に囲まれた公園で昨年の4月1日にオープンしたばかりの道と川の駅です。公園内にはウォーキングコース、芝生広場を中心にドッグラン、半過古墳、防災・ドクターヘリコプター用の場外離着陸場などが整備されており、サイクリングの方10名程がもう来ていましたが今日はあいにく霧が出ていて周りがよく見えない曇りの中でした。

2月26日真岡市の稚魚放流に大熊代表と一緒に参加した際、鮭守の会では今回のシンポジウムのパネリストの栁田専務理事が延喜式内大前神社の宮司であり、母川回帰祈願祭をやっているのを知りました。上田市での稚魚放流は初めてであり、栁田宮司氏がパネリストとしてお出でになっていることより急拠母川回帰祈願祭式祭をお願いし、魚、野菜、果物などは上小漁業協同組合様より手配して執り行うことになりました。

信州上田千曲川少年団の竜野事務局長の司会で、初めに立科小学校よりの稚魚を6年3組の生徒さんが神前奉献して鮭回帰祈願祭が始まりました。

今年1月下旬、持田養魚場で孵化したばかりで卵黄を付けた鮭の仔魚200尾ほどを、北佐久郡立科町の立科小学校に運び田中崇先生の6年3組に育成をお願いしました。6年3組教室わきの廊下に水槽3つに分けて水槽の水替えやエサやりを生徒さんたちが行いましたが、気温が低いため生育が悪く一時心配しました。長野大学の高橋先生が水槽にヒータを入れて下さり、それ以降すっかり大きく成長した稚魚を衣装ケースとふた付きのバケツに入れて運んで来てくれました。

稚魚を放流した場所よりわずか200m下流で千曲川と合流する浦野川

上田市在住の小林利夫さん(写真中央80歳)は西大滝ダム完成前の昭和12年の6歳の頃、お父さんから鮭を食べさせて貰って大変おいしかったと昔を懐かしんで話をしてくださり、稚魚放流に参加してくださいました。当日の様子は翌日の信濃毎日新聞社の記事になりました。

◆馬曲(マグセ)川での鮭稚魚放流

午後1時半前今日最後の稚魚放流の千曲川の支川樽川に注ぐ馬曲(マグセ)川の中流部にあるケヤキの森公園に着きました。ここも昨年の12月中旬、発眼卵200尾ほどをお持ちして木島平小学校の4年生の生徒さんたちに育成をお願いしました。(ここでの関孝志校長先生の育成日記は、水辺だより83号に載せてあります。)

ここはでまだ積雪が80センチほどあり、川への階段などの道をカンジキとスコップで除雪して木島平小学校の生徒さんたちをお待ちしました。

駐車場より参加者全員でバケツリレーをして鮭の稚魚を放流を行いました。まだ水温6度の馬曲川でしたが、放流された稚魚は元気に上流に向って泳いで行きました。3~4年後大きな鮭になって戻ってくるでしょう。

さて、24日(土)は宮中取水ダム(JR東日本10万尾、新潟水辺の会15万尾)と信濃町にあるC.W.ニコル・アファンの森近くの鳥居川(2万尾)の2ヶ所で鮭稚魚の市民環境放流を実施しますので参加ご希望の方は、事務局加藤(025-230-3910  E-mail ecoline@mvd.biglobe.ne.jp)までご連絡ください。

 

 

コメントを残す

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください