2013年 鮭稚魚の市民環境放流(長野県にて)-1
3月9日(土)午前7時、ボーイスカウト黒崎第一団の児童9名を含む30名の乗った大型バスは新潟駅東口を出発し、一路快晴の太陽を浴びて長野県に向かった。今年の鮭稚魚の市民環境放流は9日、10日の二日間で長野県内の4ヶ所で合計4万尾の鮭の稚魚放流を行うツアーである。
新潟西ICより関越自動車道に乗り十日町を目指した。三条を過ぎると道路沿いに雪が見え始め、越後川口のサービスエリアではいつもすぐ傍に見える信濃川も、積雪が多く傍に近づけなかった。途中3ヶ所でトイレ休憩を取りながら長野県境に向かったが、国道117号線を通らず信濃川の左岸にある県道49号線から宮中取水ダムへバスは向かった。
津南町の道の駅 越後川口のサービスエリア
今年も積雪は昨年より少ないが、道路沿いは雪の壁で普通車での車窓は雪の壁しか見えない。だがこの大型観光バスでは車高が高く、普段は見えない雪の積もった信濃川の河岸段丘を始め、白く朝日に輝く南魚沼の八海山を見ることが出来きる。
長野県野沢温泉村の東大滝集落に予定より少し早く到着したが、道路より千曲川に下るため除雪していただいた高水漁協の宮本さん、そして除雪のお手伝いをしていただいた東京電力の方々や、持田養魚場の稚魚運搬車、更に飯山市立岡山小学校の生徒さんと地域の方々はもう来て私たちを待っていた。
普段は車の通らない道に、この時は多くの車と人が居た
早速バスより幟、バケツ、拡声器などを出して稚魚放流の準備を始めた頃、野沢温泉小学校、隣村の栄小学校の生徒さんたちも続々と来て、普段は車の往来のない道に大型バス2台を始めとする10数台の車が集まった。
野沢温泉小学校のバスで来た生徒さんたち
10時30分大熊代表の挨拶と、川まで参加者が安全に下れるように除雪と道づけをしていただいたた高水漁協の宮本さん、東京電力の村武さんにも挨拶していただき、その後子供たちは先に川に下りてもらった。
川まで除雪を担当した高水漁協の宮本さん、西大滝ダム魚道改修工事の説明をする東京電力の村武さん
今回の参加者は、大人46名、子供69名、合計115名とこれまでの記録を塗り替えた。
参加者の大人の方には川までの約30mを一列に並んでいただき、運搬車より稚魚をバケツリレーで川に運んだ。私たちの乗った西川観光バスの松尾運転手さんも自主的にその列に居た。
2g程に育った鮭の稚魚(40~50尾)を入れたバケツを下の河原にいる子供たちに送る
昨年の暮れから野沢温泉小学校で発眼卵より育成した稚魚約200尾を最初に放流し、その後木島平村の持田養魚場で育てていただいた約1万尾の稚魚を参加者が「元気に帰っておいで!」と叫んで、そっと千曲川に放流した。
気温8.9度、千曲川の水温7.4度、運搬車の水温12度であった
東京電力さんにお聞きしたところ、当日の千曲川の水量は25トン/秒流れていたので、放流場所の最下流に横山世話人に胴長にライフジャケットを着けて、腕には浮き輪を用意して安全面の確保を行った。
初めての稚魚放流をする子どもたち
バケツからすぐに出ない稚魚を見守る子どもたち
川に流されるなどの事故も無く無事に1万尾の稚魚は、約30分のバケツリレーで放流することが出来た。
子供と一緒に「元気に帰っておいでと!」放流するお母さんたち
その後、鮭の発眼卵から稚魚への成育を行っていただいた野沢温泉小学校の堀籠校長先生よりお話しがあり、3月9日の日付の入った横断幕を入れての参加者の記念撮影を行った。
横断幕の後ろに並んだ子供たちにお話しする野沢温泉小学校の堀籠敦校長先生
予定通り11時20分放流行事は終わり、子供たちにはお土産のお菓子を渡してお開きとなった。今年の10月に何匹の鮭が大幅に改修された西大滝ダムの魚道を、力強く遡って行くのか、大いに期待している。
3月7日の西大滝ダム魚道改修工事中の様子
◆◆ 今回の鮭稚魚の市民環境放流は、三井物産環境基金及び信濃川の沿川市町村(新潟市、長岡市、十日町市、津南町)の助成を受けて行われました。助成をいただいた団体に感謝いたします。
鮭稚魚の市民環境放流-2つづく