2014「信州の鮭文化」を語るシンポジウム
2014年11月22日(土)長野県長野市にある安茂里公民館において「信州の鮭文化」を語るシンポジウムが開催されました。
当日、新潟水辺の会からは総勢15名がマイクロバスに乗り込み午前8時に新潟を出発。
一路、長野市を目指しました。
正午、無事に安茂里公民館に到着。
この日は3連休の初日で快晴に恵まれ、来場者があるのか不安が募りますが
気を取り直して、さっそく設営開始です。
机や椅子を並べ、配布用の資料をまとめます。皆様、ご苦労様です。
午後1時30分。「信州の鮭文化」を語るシンポジウムの開会です。
新潟水辺の会・大熊代表の開会の挨拶で始まりました。
続いて新潟水辺の会・加藤世話人から、これまで鮭稚魚放流の成果と
信濃川の下流域、中流域、千曲川の上流域や加茂川の空撮による報告がなされました。
基調講演では長野市安茂里公民館館長の宮下健司氏から「信州の鮭文化」と題してのお話がありました。
宮下氏は、元長野県立歴史館総合情報課長も務められた方 で、長野県における縄文時代から現代に至るまでの鮭にまつわる多方面からのお話を伺いました。
続いての基調講演では長野県漁業協同組合連合会・会長で諏訪湖漁業協同組合・組合長でもある藤森 貫治氏から、「内水面漁業振興に関する法律」と題して、
今年 6月に成立した法律に関する話から、今後の内水面漁業に関連する展望をお話いただきました。
休憩を挟んで「信州のサケの未来を語る」と題してパネルディスカッションが行なわれました。
基調講演でお話しいただいた宮下氏、藤森氏に加え、長野県水と緑の会副会長で長野県議会議員の今井正子氏、長野大学・環境ツーリズム学部3年生の北村幸秀氏、コーディネーターに大熊代表の5名で進められました。
今井氏からは長野県水と緑の会を設立した経緯や長野県における水辺環境の課題などに
ついてお話しいただきました。
長野大学の北村氏は魚部部長として地域の川の水質調査や生物多様性についての活動に
ついての話をいただきました。
新潟水辺の会では鮭稚魚放流と並行して、一昨年から上田市浦野川に鮭の発眼卵を河床埋設を行っていますが、長野大学・環境ツーリズム学部の高橋大輔准教授と魚部の協力を得ながら実施しています。
また会場には発眼卵に適した埋設地を探していただいている信州水環境マップ・ネットワークの沼田氏、大洞氏も駆けつけていただきました。
内水面漁業振興に関する法律の施行や長野県の市民団体、長野大学における協力体制など、
今後の長野県における鮭稚魚放流と発眼卵埋設、そして信濃川、千曲川における鮭の魚道設置への期待など、新たな第一歩を踏み出すことが出来たように感じられました。
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新潟からのメンバーは翌日、十日町の宮中取水ダムなどを見学しながら帰路につきました。
宮中取水ダムでは鮭の遡上する様子を魚道から見学しようとしたのですが、
点検作業のため、全量放流が行なわれていてダムや魚道の底が現れていました。
普段、観る事の出来ない様子に一同、興味津々で眺めていました。
続いて信濃川に架かる姿橋の上から鮭が産卵する様子を観察しました。
橋の上からでも10数尾の鮭を確認する事ができ、一同歓声を上げながら川を覗き込んでいました。
いつかこのような鮭が遡上する光景が長野県でも実現するように、これからは信濃川下流域と長野県の皆さんとの連携を強めることが大切と感じた、今回のツアーでした。
※この活動は三井物産環境基金の助成を受けて行っています。
追記: 今回、11月22日夜に白馬村を震源とする震度6弱の長野北部地震が発生しました。
新潟からのメンバーは千曲市戸倉上山田温泉に宿泊しており
震度4弱の揺れを経験しましたが、幸いケガ人などの被害はありませんでした。
今回の地震で被災された地域の一日も早い復興をお祈り致します。