2015年-新潟市浦山での鮭発眼卵からの育成日記-①
三井物産環境基金助成事業
昨年12月中旬に、長野県の上田市南小学校、木島平小学校、飯山市岡山小学校、栄村小学校へ、鮭の発眼卵200粒づつをお持ちし、「生命の神秘さ、大切さを学ぶ、鮭稚魚への育成」を4校の児童にお願いしてきました。
そして今回も我が家の車庫に水槽を2つ備えて、発眼卵から鮭稚魚の育成を行っていますので報告します。
昨年まで常時8~11度の水温を保つように水槽にヒーターを入れてやっていましたが、今回は川の自然環境となるべく同じ状況で育てることを意識し、水温調整を行わないことにしました。
また、水の汲み置きのバケツも昨年は3つで良かったのですが、水槽が2つになったことで最低5個が必要となっています。
この60リッター容量の水槽では200粒が最適数と考えていましたが、長野で残った発眼卵が約800粒あったので、このまま育つか少々不安がありましたが2つの水槽に入れました。
後にその不安が現実のものとなりました。
水槽に入れた頃の発眼卵の積算温度は約400度でした。後で気づいたのですが、当日撮った写真にはもう孵化が一部始まっていました。(孵化は480度前後と言われています)
昨年同様約1割が順調に孵化を終えていました。
約3割が孵化を終え、お腹のオレンジ色が目立つようになりました。
水槽表面には泡が多くなり、毎日取ってもすぐに泡だらけとなる状態が半月近く続きました。
我が家の車庫に置いてあるので水温、気温とも、平均3~5度で推移していました。
1月9日、水槽の泡を取り除くとともに、水槽の1/3程を汲み置きした水に交換しました。
死卵もこれまでに10個取り除きました。あと数個孵化していない卵があります。
仔魚のお腹にある「さいのう」のオレンジ色がだんだん鮮やかになってきます。
現在の仔魚の体長は約2センチ(1円玉が丁度2センチ)です。
◆平成27年1月27日
全部孵化を終えましたが、その頃より左の水槽にお腹を横にする仔魚が目立ち始めました。
だんだん仔魚の身体の色もオレンジから黒づんで来て、身体もスマートになってきました。
左の水槽では、やはり許容量以上に発眼卵を入れたため、酸素不足か亡くなる仔魚が20尾ほど出てきました。
しかし、右の水槽では同じくらいの発眼卵を入れたのですが、ほぼ全て順調に育ち浮上行動に移ってきました。
浮上行動を始めたので今日から餌をやり始めましたが、まだお腹にさいのうを持ったものも多くあり、本格的な餌やりは今月下旬にあると思っています。
鮭発眼卵からの育成日記-②に続く
●鮭稚魚の市民環境放流
長野県木島平村の持田養魚場に育成をお願いした稚魚は、2月3日に餌をいただきに伺った際馬曲川の湧水(平均11度)で順調に育ち、もう餌も小さい方を食べ始めていました。
3月14日(土)と15日(日)には、今年も長野県の千曲川水系と、新潟県の信濃川水系の河川に13万尾の鮭稚魚の市民環境放流を実施します。
一緒に信濃川・千曲川の川を見ながら、稚魚放流をしませんか。
■ 日 程 ■
1日目 7:30 新潟駅南口集合(時間厳守)
(3/14) 7:40 新潟駅出発⇒関越自動車道⇒長野IC
11:00 長野市裾花川にて、鮭稚魚の市民環境放流 3万尾
12:30 上田 道と川の駅 おとぎの里にて昼食(各自負担)
14:00 上田市浦野川にて、鮭稚魚の市民環境放流 2万尾
15:00 半過公民館にて活動発表会「鮭発眼卵からの育成と稚魚放流」
16:30 終了後 後片付け 上山田温泉の宿へ 泊
2日目 8:00 宿を出発⇒上信越自動車道⇒豊田飯山IC
(3/15) 10:00 木島平村馬曲川にて、鮭稚魚の市民環境放流 2万尾
11:20 寒川にて稚魚放流 5千尾
12:00 西大滝ダム下流千曲川にて、鮭稚魚の市民環境放流 2.5万尾
津南観光物産館にて昼食(各自負担)
14:30 津南町信濃川にて、鮭稚魚の市民環境放流 3万尾
終了後 新潟へ
17:30 新潟駅着
- 新潟水辺の会では、自然豊かな川指標の一つである鮭の遡上を象徴として、平成19年から8年間に約5万尾の鮭稚魚を、流域の市民と共に「市民環境放流」と銘打って、信濃川・千曲川水系に放流してきました。