第2回「信濃川・環境大河塾」ツアー その1

8.23(火)~24(水)昨年につづき、河川環境を考えるダム見学ツアーを実施しました。長野県から新潟県を流れ日本海へ注ぐ、長さ367km、流域面積11,900k㎡、年間流量約160億㎥を有する、日本を代表する大河・信濃川。

その復活を願う『鮭稚魚の市民環境放流』、『鮭の大河シンポジウム』の活動(三井物産環境基金の助成を受けて実施中)の一環での『大河塾』。ダムを見学、日本の大河の現状を自らの目と身体で実感してもらい、魚が棲み、水生植物が茂り、人との関係性の深い、本来の「川らしい川とは何なのか」を考えるツアーです。

定番の塾となるかは分かりませんが、①東京電力㈱(以下東電と略)西大滝ダム・JR東日本㈱(以下JR東日本と略)の宮中取水ダムによる減水区間視察~②東電小田切ダム-生坂ダムの無水区間視察~③川沿いの聖山パノラマホテルで1泊~④視察を受けてホテルで大河塾ワークショップ~⑤毎回現場で、東京電力㈱とJR東日本㈱から担当者が解説していただくプログラムで実施しています。

【当会の誇る、加藤スーパー事務局長による事前の段取りは、エコツーリズム旅行業者になれるレベルのスゴ腕の設定でした。参加者一同、感謝してます】

昨年の減水無水区間の信濃川、犀川を見た参加者も数名入れて、総参加者40名の川旅でした。新潟・長岡・十日町・長野・東京・仙台・富山と広範囲からの参加です。

水辺の会会員のほか、学生・院生、主婦、市議、元市長、技術者、電力会社現役やOB、マスコミ、NPO、研究者、学者、行政など老若男女で、小さなコミュニティのような団体でのツアー塾でした。

車中、大熊代表のきめ細かなガイド(教授職の持分か「マイクを持つとなかなか話さずに喋ってしまうんですね」:ご本人談(^o^;)を聞きながら長野や東京、十日町市などからのグループと合流しJR東日本の宮中取水ダムへ向かう。

○ 宮中取水ダムでのJR東日本の現場担当者から4グループに分かれてのダムやダム魚道のご解説をお聞きしました。JRの皆さん雨の中、ありがとうございました。

新しい表示板が約221t/秒の放流量を示していました。

 

 

 

 

 

写真は、小雨が降っていた宮中取水ダム、放流量を示すデジタル計測計、JR東日本の担当者14名の説明、宮中取水ダムの魚道です。

○東電信濃川発電所の視察 少し急ぎ足で所内を見学させていただきました。発電水車がグリーンなのは地元からの要望だそうです。

建物の歴史があるので『文化財登録が可能だろうけど申請しませんか』と大熊代表から。他にも沢山の発電所などの古い建物があるので期待したいものです。

○東電の西大滝ダムで、東電職員の方々から解説を伺う。パネルもご準備頂き感謝です。

   

西大滝ダムの魚道を見学の参加者。6水門のゲートが全て開いて放流していました。

3.12長野北部地震の被害地の集落で昼食。現地での解説は災害地のまちづくりを指導する京都精華大学の松尾先生。橋が危険なので徒歩で集落へ向かう。1mほど橋の袂で地盤が下がっていた。

 

○犀川にある小田切ダムは雨で増水したせいか、大放流中でした。ほぼ真正面にあるレストラン駐車場から見ると放流による水しぶきが飛んでくる。

○笹平ダム。下流の左岸にダム放流水路があり、桜並木の堤防をはさんだ右岸の河川は普段は無水区間だ。いつもは無水区間だから心眼で見て欲しい、と加藤事務局長から。といっても初めて来た人にパネル写真で比較をしてもらう。

 

○水内ダム放流先発電所

吊り橋を2つ渡るとダム放流先の発電所が見える。どうも、仮締切りするために川の右岸に迂回水路を掘ったので吊り橋が2本になったらしい。この場所で初めて今回ガイド用に購入したベルトスピーカー付きのヘッドマイクでの大熊代表の解説(両手でパネルなど表現できる)が活かされた。

この放流先の発電所には普段は放流水が見えない。さらに数m下に落して発電し、地下水路を通してさらに下流で河川に戻している。その時代は一滴でも水力エネルギーにという思想が働いていたのだろうと。

 

その2へ続きます。

 

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