2014年 鮭の発眼卵育成-4

1月18日、会員の大沢さんと友人の広沢さんに手伝っていただき、昨年の12月15日に長野県上田市にある浦野川に埋設した鮭の発眼卵の状況確認と、浦野川に設置した河川水温データ回収を行って来ました。

 

昨年の1月に比べ上田までの高速道路にも雪が無く、スムーズに上田の手前の坂城まで行くことができてホッとする。3年前の1月15日、石月さんと上田に行くので朝早く新潟を出発したのでしたが、途中で大雪になり高速は長岡で通行止めに。やむなく引き返したのですが、高速は通行止めのため国道8号線も渋滞で、新潟に着いた時はもう夕方でした。

 

10時半過ぎよく晴れた上田の浦野川に到着し、 発眼卵を埋設放流した親水水路に行くと、近くで重機が作業をしていました。よく見るとおとぎの里の石井さんが重機を使い、新しい親水水路を作っていたのです。

浦野川の親水水路工事で重機を使う石井さん

重機を操作する「おとぎの里」の石井さん

浦野川の親水水路の工事

浦野川から水を引くのではなく浸透水をこの水路に導くもので、夏には子どもたちの遊び場となります。

 

◆     上田道と川の駅 浦野川

昨年1月に来た時もそうでしたが、ここ上田は夜の気温が-6度~8度と低く、川沿いの水溜りはまだ凍っています。

浦野川の流れと氷の張った水際

浦野川の流れと氷の張った水際

 

早速対岸の柳の木に設置したデータロガーを回収し温度を調べてみました。

浦野川に設置した水温計のデータを回収

川岸の柳の木に温度計を設置しておいた

 

昨年12月にデータロガーを設置した頃の平均水温は4度位あったのですが、今年1月に入ると2度位になり、13日以降は1度と低い状況となっています。

上田 浦野川水温データ①

浦野川の河川水温(2013.12.15~2014.1.18)

 

その為、18日現在の推定積算温度は380~390度で、ふ化の始まるのは2月中旬以降が予想されます。

おとぎの里の石井さんの話では、「今年は特に気温が低い日が多い」とのことで、早く暖かくなることを望むのみです。

 

発眼卵を入れたバイバードBOXの埋設は川底の砂利層より低くしたつもりでしたが、いくつかバイバードBOXの上部が見えるものがあり、発眼卵の直射日光を防ぐため砂利をかけてきました。

川中の砂礫に埋設したバイバードBOXが見えるため、砂利を被せる

 川底のバイバードBOXの上部が見えないように砂利を上にかける

 

水温が低いので度々行く必要もないと思いますが稚魚放流前の打ち合わせの際、浦野川の水温データの回収を行う予定でいます。

 

その後、上田平を見渡せる岩鼻の千曲公園に車で登ると、眼下に千曲川・浦野川が広がっています。ここはかつて湖でした。

上田 道と川の駅にあるヘリポートに着陸のドクターヘリ

岩鼻より眼下に上田平とヘリポートが見える

先程ここに登って来るとき上田道と川の駅に舞い降りた長野県のドクターヘリが、病人を乗せて松本方面に飛び立っていきました。

松本方面に向かった長野県のドクターヘリ

上田道と川の駅にあるヘリポートを飛び立つ長野県のドクターヘリ

 

 

2014年 鮭の発眼卵育成-5に続く

 

※この活動は三井物産環境基金の助成を受けて行っています。

 

 

2013年 鮭稚魚の市民環境放流活動報告

今年の鮭稚魚の市民環境放流には、大変多くの方々のご参加いただきありがとうございました。

 

信濃川・千曲川では、平安時代から全国屈指の鮭の産地として知られ、昭和初期までは上田、松本を越えて、さらには梓川の大正池まで鮭が遡上したとの昭和初期の記録もあり、信濃川水系全体の遡上数は30万尾を超えていたと推定されています。

昭和10年代に、信濃川の電源開発事業が開始され、ダム群によって川が塞き止められ、河道の流量が減少することによって、昭和15年には長野県の鮭漁が終焉し、十日町市上流の信濃川でも鮭の姿が消えることとなりました。

 

私たちの活動は、本来的に豊かな水量を持つ川でありながら、魚が往き来できないという不自然な状態を改善して、千曲川、信濃川を「普通の川」に近づけることを目的にしております。その一環として、鮭が遡上する川の復活を夢見て、2007年の春から、新潟県内の信濃川はもとより、長野県内の千曲川、犀川で、当該地域の住民、行政、そして小学生を中心とした子供達の参加をいただきながら、“鮭稚魚の市民環境放流”を行ってきました。鮭稚魚の放流は子供達にロマンを与えるとともに、さまざまな科学的な知識と探究心を育んでくれます。

 

2007年より始め今年で7年目を迎え、今年は3月9日、10日、16日、17日、19日の5日間で信濃川、千曲川、浦野川、鳥居川、馬曲川などで老若男女858名の参加を得て16万尾の稚魚放流を行ないました。そして、7年間の合計では、143.5万尾の鮭の稚魚放流となりました。

特に、2013年は、発眼卵約1万粒を上田・千曲川支川浦野川の河床に埋設して、自然な孵化を試み、成果を上げることができました。また、長野の小学校三校に発眼卵を預け、稚魚に育ててもらい、それも一緒に放流いたしました。

 

鮭の回帰状況は、徐々に増加しており、2012年秋には宮中取水ダム(JR東日本)まで297尾、西大滝ダム(東京電力)まで11尾の遡上がありました。そして、河口から253kmの上田まで、2010年のメス1尾に引き続き、2012年もオス1尾の遡上が確認されました。2013年秋には、500尾を超える鮭の遡上があることを期待しております。

 

◆◆今回の鮭稚魚の市民環境放流は、三井物産環境基金及び信濃川の沿川市町村(新潟市、長岡市、十日町市、津南町)の助成を受けて行われました。助成をいただいた団体に感謝いたします。

NPO法人 新潟水辺の会事務局

2013-鮭稚魚の市民環境放流報告書HP用2013-鮭稚魚の市民環境放流報告書表紙S

2013-鮭稚魚の市民環境放流-新聞報道

 

2013-鮭稚魚の市民環境放流-案内チラシ

 

2013年 鮭稚魚の市民環境放流(津南町の信濃川にて)-7 会員 ☆です

津南町へ向かう途中で世話人の加藤さんお奨めの蕎麦屋に立ち寄り、おいしい蕎麦とてんぷらを食して英気を養った後、午後1時過ぎに津南町の放流地点に隣接する、津南地域衛生施設組合の駐車場に到着しました。

 稚魚放流場所の河原まで下りれる道をつけていただいた

津南町での放流は今回が初めての上、宮中取水ダムのように現場をお手伝い頂ける企業も無いとのことで、まずは水辺まで雪かきから始めなければ・・・と現地入りしました。が、既に津南町役場の内山総務課長さん達と東京電力信濃川総合制御所の田村所長さん達により、雪の斜面を水辺まで下ることができるよう準備がなされていました。正直ほっとしました。

 

集まっていただいた津南町の方々

午後1時30分の開会予定時刻には気温が12℃まで上昇し、冬の装いでは少々汗ばむ位の好天でしたが、津南町では初めての稚魚放流会ということで、果たして参加して下さる方がいらっしゃるのか少々不安でした。しかし、始まってみれば45名(大人35名、子ども10名)もの方々のご参加を頂き、スタッフ一同まずはホッとしました。

<ストレスを与えないようそーっと・・・町長さんがお手本>

ご参加の皆さんの前で大熊代表、上村憲司津南町長様、桑原正教育長様のごあいさつを頂いた後、津南町では初めての放流ということで、稚魚にストレスを与えない放流方法の実演を上村町長にお願いしました。

上村町長と桑原教育長のあいさつ

気になる水槽と河川水の温度差は、0.8℃。午前中同様水温の条件はほぼベストです。

ここでの放流数は、中魚沼漁協さんで飼育されトラックで運ばれて来た2万尾です。午前中より稚魚の数は少ないとは言え、2万尾を45人で放流するのは・・・少々不安ながらも放流を開始です。

 

<腰もはいってバッチリ! 初放流へ>

東京電力の皆さんのご協力が有ったとは言え、雪の斜面の足場は不安定でした。しかし、大人の皆さんの初めてとは思えない見事なバケツリレーにより、2万尾の稚魚たちは次々と水辺へ運ばれ、町長さんの見本通りそっと優しく信濃川へ放流されました。

河原までバケツリレーで稚魚を運ぶ

何度も繰り返しの放流となりましたが皆さん最後まで、優しく放流して下さいました。

リレーも放流も腰がはいった姿勢でばっちり決まっていました。

元気に帰ってと鮭の稚魚を放流-1

みなさん何度も繰り返しの放流で姿勢もばっちり!

 元気に帰ってと鮭の稚魚を放流

放流後上村町長さんからご参加頂いた皆さんに「ここで放流してくださってありがとう。来年はもっと多くの参加者を集めましょう」とのお話がありました。

今回参加して下さった方々から地域の皆さんにこの活動のことが伝わり、鮭を通して信濃川への関心が高まれば、来年の参加者はきっと増えていることと思います。

津南町にて全員集合S

お約束 皆さんで「帰ってきてねえ!」と記念撮影

 短歌を詠んでいただいた村山副町長と、津南町の信濃川の流れ

短歌を詠んでいただいた村山副町長               津南町の信濃川の流れ

最後に村山 昇副町長が今回の稚魚放流の短歌を、

 「また逢おう みんな元気で 四年後に 話す子どもの 願い忘れず」

ご参加頂いた皆さん、関係者の皆さん どうもありがとうございました。

 

<筆者後記>

今回の放流会の途中、世話人の方から大事なお話を聞きました。この活動の主目的は決して放流活動を盛んにすることではなく、放流せずとも毎年沢山の鮭が信濃川を千曲川をそして支川を遡ってゆくようにすることであると。これを見失ってはいけないことを教えて頂きました。

一方で、この活動に参加して頂くことで、皆さんが信濃川について考える良い機会となり、更には家族、友人、地域の人々ともに考え、思いが繋がるきっかけとなることを期待したいと思う次第です。

 

宜しければ来年は参加してみませんか? 鮭の稚魚って意外とカワイイ顔しているんですよ。

最後に私のデジカメで撮った鮭稚魚の旅立ちの水中映像をご覧下さい。

 

◆◆今回の鮭稚魚の市民環境放流は、三井物産環境基金及び信濃川の沿川市町村(新潟市、長岡市、十日町市、津南町)の助成を受けて行われました。助成をいただいた団体に感謝いたします。

鮭稚魚の放流は子供達にロマンを与えるとともに、さまざまな科学的な知識と探究心を育んでくれます。

私たちの活動は、本来的に豊かな水量を持つ川でありながら、魚が往き来できないという不自然な状態を改善して、千曲川、信濃川を「普通の川」に近づけることを目的に今後も鮭稚魚の市民環境放流を継続していきます。今後ともよろしくお願いいたします。

NPO法人 新潟水辺の会事務局

2012年鮭稚魚の市民環境放流報告書へづづく

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