天童の水便り-9

山形県天童市にお住まいの須藤俊彦さんから、「天童の水便り-9」が届きましたので、掲載いたします。先月の大平洋側の大雪の影響で、須藤さんの自宅前を通る国道48号線の関山峠の宮城県側では、雪崩の危険を回避するため、10日間程通行止めになったということです。(事務局長:佐藤哲郎)

下の写真は、最上川左支川、寒河江川に昭和50年代に建設中の寒河江ダムの状況です。

天童1

総貯水量約1億トン 洪水調節 発電 農業用水 そして村山広域水道の多目的ダムです。付近は 地盤が良くなく、地滑り地帯もあり、フィルタイプダムです。昭和44年の洪水が引き金となり、直轄事業で建設されました。水没集落もあり、大変難しい工事でした。

さて、2013年7月の降雨は、月山山系中心のもので、最上川左支川月布川、吉野川、 そして寒河江川に被害がありました。特に村山広域水道の浄水場にかつて無い被害をもたらしました。浄水場の取水口は寒河江ダム下流の西川町にあります。降雨強度が強く、表土の流失が大きく、取水口に予想以上の濁度をもたらし 浄水不能となりました。特に天童市はほぼ100%を村山広域水道に依存しているため 断水が約10日も続きました。自前の水源は 高擶に井戸がありますが現在は使用されていません。それに対し、山形市は自前の水源があり浄水場もあります。広域水道の依存度は約半分のため、断水は最小にとどめたのです。

寒河江ダム建設のアロケーション(費用分担)で、水道からの支出は少なくなく、村山盆地の市町村の水道代は全国でも高い状況です。天童市では断水の対策として、他市町村と水道水の融通を考えていますが、根本的解決とはいかないようです。

天童2話は変わりますが、2013年の我が家のさくらんぼの開花状況です。さくらんぼの木の上に見えるのは 雨よけテントの骨組みです。ビニールを張るのは梅雨期の6月初旬~7月上旬だけで、それ以外はビニールは外すのです。つまり、恵みの雨をシャットアウトするのです。

一見矛盾する感じですが 原産が中央アジアのさくらんぼ。収穫期に雨は必要なく むしろ雨で実割れし 売りものになりません。

さくらんぼは 自分の花粉で受粉しません。そのため主力の佐藤錦を実らせるには 受粉樹が必要となります。そのため 早生のジャボレー、 紅さやか、晩生のナポレオン、紅秀峰、大将錦などと混植しています。

また、受粉の促進のため、ミツバチ、マメコバチ、の助けを借りています。

今のところ、山梨のような雪害はなく、多少の枝折れ程度です。今年は さくらんぼが うまくいくよう 念じるのみです。(山形県天童市より 須藤俊彦)

コメントを残す

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください