2015年-新潟市浦山での鮭発眼卵からの育成日記-①

三井物産環境基金助成事業

 

昨年12月中旬に、長野県の上田市南小学校、木島平小学校、飯山市岡山小学校、栄村小学校へ、鮭の発眼卵200粒づつをお持ちし、「生命の神秘さ、大切さを学ぶ、鮭稚魚への育成」を4校の児童にお願いしてきました。

そして今回も我が家の車庫に水槽を2つ備えて、発眼卵から鮭稚魚の育成を行っていますので報告します。

 

◆平成26年12月23日 浦山報告②14.12.25

昨年まで常時8~11度の水温を保つように水槽にヒーターを入れてやっていましたが、今回は川の自然環境となるべく同じ状況で育てることを意識し、水温調整を行わないことにしました。

 水換えようのため水

また、水の汲み置きのバケツも昨年は3つで良かったのですが、水槽が2つになったことで最低5個が必要となっています。

 

この60リッター容量の水槽では200粒が最適数と考えていましたが、長野で残った発眼卵が約800粒あったので、このまま育つか少々不安がありましたが2つの水槽に入れました。

後にその不安が現実のものとなりました。

 

◆平成26年12月25日 浦山報告①14.12.25

水槽に入れた頃の発眼卵の積算温度は約400度でした。後で気づいたのですが、当日撮った写真にはもう孵化が一部始まっていました。(孵化は480度前後と言われています)

 

 

◆平成26年12月31日 浦山報告③14.12.31

昨年同様約1割が順調に孵化を終えていました。

 

◆平成27年1月2日 浦山報告④15.1.2

約3割が孵化を終え、お腹のオレンジ色が目立つようになりました。

  浦山報告⑤15.1.2

水槽表面には泡が多くなり、毎日取ってもすぐに泡だらけとなる状態が半月近く続きました。

 

◆平成27年1月7日 浦山報告⑥15.1.7

我が家の車庫に置いてあるので水温、気温とも、平均3~5度で推移していました。

1月9日、水槽の泡を取り除くとともに、水槽の1/3程を汲み置きした水に交換しました。

死卵もこれまでに10個取り除きました。あと数個孵化していない卵があります。

 

◆平成27年1月15日 浦山報告⑦15.1.15

仔魚のお腹にある「さいのう」のオレンジ色がだんだん鮮やかになってきます。

現在の仔魚の体長は約2センチ(1円玉が丁度2センチ)です。

 

◆平成27年1月27日浦山報告⑨15.2.13-弱った仔魚 

全部孵化を終えましたが、その頃より左の水槽にお腹を横にする仔魚が目立ち始めました。

 

◆平成27年1月27日 浦山報告⑧15.1.27

だんだん仔魚の身体の色もオレンジから黒づんで来て、身体もスマートになってきました。

 

◆平成27年2月13日 浦山報告⑨15.2.13

左の水槽では、やはり許容量以上に発眼卵を入れたため、酸素不足か亡くなる仔魚が20尾ほど出てきました。

 

◆平成27年2月19日 浦山報告⑩15.2.19

しかし、右の水槽では同じくらいの発眼卵を入れたのですが、ほぼ全て順調に育ち浮上行動に移ってきました。

 

◆平成27年2月22日 浦山報告⑪15.2.22

 浮上行動を始めたので今日から餌をやり始めましたが、まだお腹にさいのうを持ったものも多くあり、本格的な餌やりは今月下旬にあると思っています。

 浦山報告⑫15.2.22

 

浦山報告⑬15.2.22

 

鮭発眼卵からの育成日記-②に続く

 

●鮭稚魚の市民環境放流

長野県木島平村の持田養魚場に育成をお願いした稚魚は、2月3日に餌をいただきに伺った際馬曲川の湧水(平均11度)で順調に育ち、もう餌も小さい方を食べ始めていました。

 

3月14日(土)と15日(日)には、今年も長野県の千曲川水系と、新潟県の信濃川水系の河川に13万尾の鮭稚魚の市民環境放流を実施します。

一緒に信濃川・千曲川の川を見ながら、稚魚放流をしませんか。

 

日 程

  1日目  7:30 新潟駅南口集合(時間厳守)

(3/14)  7:40 新潟駅出発⇒関越自動車道⇒長野IC

       11:00 長野市裾花川にて、鮭稚魚の市民環境放流         3万尾

       12:30 上田 道と川の駅 おとぎの里にて昼食(各自負担)

       14:00 上田市浦野川にて、鮭稚魚の市民環境放流         2万尾

       15:00 半過公民館にて活動発表会「鮭発眼卵からの育成と稚魚放流」

       16:30 終了後 後片付け 上山田温泉の宿へ           泊      

 

  2日目  8:00 宿を出発⇒上信越自動車道⇒豊田飯山IC

  (3/15) 10:00 木島平村馬曲川にて、鮭稚魚の市民環境放流       2万尾

       11:20 寒川にて稚魚放流                         5千尾

       12:00 西大滝ダム下流千曲川にて、鮭稚魚の市民環境放流   2.5万尾

          津南観光物産館にて昼食(各自負担)

       14:30 津南町信濃川にて、鮭稚魚の市民環境放流         3万尾

終了後 新潟へ

       17:30 新潟駅着

 

  • 新潟水辺の会では、自然豊かな川指標の一つである鮭の遡上を象徴として、平成19年から8年間に約5万尾の鮭稚魚を、流域の市民と共に「市民環境放流」と銘打って、信濃川・千曲川水系に放流してきました。

 

2015年-鮭稚魚の市民環境放流&活動発表会 参加者募集

三井物産環境基金助成事業

 

今年も3月14日(土)~15日(日)、長野県木島平村の持田養魚場の湧水で育てていただいた10万尾と、新潟県中魚沼漁業協同組合で育てていただいた3万尾の鮭の稚魚併せて13万尾を、長野県と新潟県内の6河川で放流を行います。ご参加をお待ちしています。

尚、1日目、昨年木島平小学校にて行いました「発眼卵からの育成と稚魚放流」同様の活動発表会を、上田 道と川の駅 近くの半過公民館にて行います。

 

実施日   2015年3月14日(土)~15日(日)

参加費   大人 ¥11,000円、子供 ¥7,000円(1泊2食付、バス代、高速道路代込み)

宿泊地   上山田温泉 リバーサイド上田館

募集定員  20名(定員になり次第終了)

集合場所  新潟駅南口ロータリー7時30分 時間厳守

服装     少々濡れても良く、暖かい服装に長靴で(バケツなどは用意します)

申込先   世話人 加藤 功 ☎ 025-230-3910    E-mail ecoline@mvd.biglobe.ne.jp

 

日 程

  1日目  7:30 新潟駅南口集合(時間厳守)

  (3/14)  7:40 新潟駅出発⇒関越自動車道⇒長野IC

        11:00 長野市裾花川にて、鮭稚魚の市民環境放流         3万尾

        12:30 上田 道と川の駅 おとぎの里にて昼食(各自負担)

        14:00 上田市浦野川にて、鮭稚魚の市民環境放流         2万尾

        15:00 半過公民館にて活動発表会「鮭発眼卵からの育成と稚魚放流」

        16:30 終了後 後片付け 上山田温泉の宿へ             泊      

 

  2日目   8:00 宿を出発⇒上信越自動車道⇒豊田飯山IC

  (3/15) 10:00 木島平村馬曲川にて、鮭稚魚の市民環境放流        2万尾

        11:20 寒川にて稚魚放流                        5千尾

        12:00 西大滝ダム下流千曲川にて、鮭稚魚の市民環境放流   2.5万尾

            津南観光物産館にて昼食(各自負担)

        14:30 津南町信濃川にて、鮭稚魚の市民環境放流        3万尾

終了後 新潟へ

       17:30 新潟駅着

 

  • 新潟水辺の会では、自然豊かな川指標の一つである鮭の遡上を象徴として、平成19年から8年間に約166.5万尾の鮭稚魚を、流域の市民と共に「市民環境放流」と銘打って、信濃川・千曲川水系に放流してきました。

2015年-鮭稚魚放流&活動発表会チラシ

 

2014「信州の鮭文化」を語るシンポジウム

2014年11月22日(土)長野県長野市にある安茂里公民館において「信州の鮭文化」を語るシンポジウムが開催されました。

当日、新潟水辺の会からは総勢15名がマイクロバスに乗り込み午前8時に新潟を出発。

一路、長野市を目指しました。

2014信州の鮭文化安茂里公民館

正午、無事に安茂里公民館に到着。

この日は3連休の初日で快晴に恵まれ、来場者があるのか不安が募りますが

気を取り直して、さっそく設営開始です。

2014信州の鮭文化設営

机や椅子を並べ、配布用の資料をまとめます。皆様、ご苦労様です。

2014信州の鮭文化

2014信州の鮭文化開会挨拶

午後1時30分。「信州の鮭文化」を語るシンポジウムの開会です。

新潟水辺の会・大熊代表の開会の挨拶で始まりました。

2014信州の鮭文化加藤

続いて新潟水辺の会・加藤世話人から、これまで鮭稚魚放流の成果と

信濃川の下流域、中流域、千曲川の上流域や加茂川の空撮による報告がなされました。

2014信州の鮭文化基調講演1

基調講演では長野市安茂里公民館館長の宮下健司氏から「信州の鮭文化」と題してのお話がありました。

宮下氏は、元長野県立歴史館総合情報課長も務められた方 で、長野県における縄文時代から現代に至るまでの鮭にまつわる多方面からのお話を伺いました。

2014信州の鮭文化基調講演2

続いての基調講演では長野県漁業協同組合連合会・会長で諏訪湖漁業協同組合・組合長でもある藤森 貫治氏から、「内水面漁業振興に関する法律」と題して、

今年 6月に成立した法律に関する話から、今後の内水面漁業に関連する展望をお話いただきました。

2014信州の鮭文化パネリスト1 2014信州の鮭文化パネリスト2

休憩を挟んで「信州のサケの未来を語る」と題してパネルディスカッションが行なわれました。

基調講演でお話しいただいた宮下氏、藤森氏に加え、長野県水と緑の会副会長で長野県議会議員の今井正子氏、長野大学・環境ツーリズム学部3年生の北村幸秀氏、コーディネーターに大熊代表の5名で進められました。

今井氏からは長野県水と緑の会を設立した経緯や長野県における水辺環境の課題などに

ついてお話しいただきました。

2014信州の鮭文化北村

 

長野大学の北村氏は魚部部長として地域の川の水質調査や生物多様性についての活動に

ついての話をいただきました。

新潟水辺の会では鮭稚魚放流と並行して、一昨年から上田市浦野川に鮭の発眼卵を河床埋設を行っていますが、長野大学・環境ツーリズム学部の高橋大輔准教授と魚部の協力を得ながら実施しています。

2014信州の鮭文化沼田

2014信州の鮭文化大洞

また会場には発眼卵に適した埋設地を探していただいている信州水環境マップ・ネットワークの沼田氏、大洞氏も駆けつけていただきました。

 

内水面漁業振興に関する法律の施行や長野県の市民団体、長野大学における協力体制など、

今後の長野県における鮭稚魚放流と発眼卵埋設、そして信濃川、千曲川における鮭の魚道設置への期待など、新たな第一歩を踏み出すことが出来たように感じられました。

 

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新潟からのメンバーは翌日、十日町の宮中取水ダムなどを見学しながら帰路につきました。

2014宮中取水ダム

2014宮中取水ダム魚道

 

宮中取水ダムでは鮭の遡上する様子を魚道から見学しようとしたのですが、

点検作業のため、全量放流が行なわれていてダムや魚道の底が現れていました。

普段、観る事の出来ない様子に一同、興味津々で眺めていました。

2014信州の鮭文化姿橋

2014信州の鮭文化姿橋2

続いて信濃川に架かる姿橋の上から鮭が産卵する様子を観察しました。

橋の上からでも10数尾の鮭を確認する事ができ、一同歓声を上げながら川を覗き込んでいました。

いつかこのような鮭が遡上する光景が長野県でも実現するように、これからは信濃川下流域と長野県の皆さんとの連携を強めることが大切と感じた、今回のツアーでした。

 

※この活動は三井物産環境基金の助成を受けて行っています。

 

 

追記: 今回、11月22日夜に白馬村を震源とする震度6弱の長野北部地震が発生しました。

新潟からのメンバーは千曲市戸倉上山田温泉に宿泊しており

震度4弱の揺れを経験しましたが、幸いケガ人などの被害はありませんでした。

今回の地震で被災された地域の一日も早い復興をお祈り致します。

 

 

 

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